Day2 その7 サン・ジェルマンのサロン・ド・テで優雅なティータイムに失敗する Paris2010

cadetからメトロに乗りこんで、ipadをひろげてどこに行こうかと検討した結果、Les Nuits Des Thésというサン・ジェルマンにあるサロン・ド・テに行くことにしました。1度はパリっぽい優雅なサロンでお茶したかったからです。しかしcadetからメトロだけでは行きづらく、メトロの7番でオペラまで行って、そこから68番バスに乗り継いで行きました。今回は行けなかったオルセー美術館は、この時バスで真横を通り過ぎ、昔は駅だったという外観だけ見ることができました。外観の素敵さが中にも入りたい気持ちにさせました。次回パリにきたときは外せません。
68番バスでメトロのRue de Bacの駅あたりまで来て、降車ボタンを押したのですが、バス停でドアが開きません。信号待ちしてたので、急いで運転手さんのところまで行って無理やりおろしてもらいました。確かに押したし、運転席の上にある降りますよライト*1も赤く光っていたのに、何でドア開かなかったんだろう…と悩みましたが、この後何回かバスに乗って気付きました。降りるドアの両側に立っている手すり?の所に、丸いボタンが設置されている時はそれを押さないと、ドアを開けてくれないのです。しかしこのボタンがついていないバスもあり、そういうバスは降車ボタンを押すだけでバス停についたら勝手にドアを開けてくれるので、そのボタンの存在にずっと気付けませんでした…。別のバスに乗ったとき、親切なおばちゃんがボタンの存在を教えてくれてやっと気付きました。

なんとかバスを降りて、ボーヌ通りにあるLes Nuits Des Thésまでやってきました。昔はパン屋だったのか、ブーランジェリーという文字が入ってます。このペパーミントグリーンの外観がパリっぽくて気持ちがアガります。

中に入ると、乙女な感じの白いテーブルと椅子に花柄のクロスがかけられています。わあ、想像した通りの優雅な雰囲気のサロン…。と感激したかったのですが、なんとなく雑然とした雰囲気なのです。この写真でも、よく見える位置にある客席にカトラリーとかお皿が出しっぱなしとなってます。お店に入ってすぐの位置にあったケーキやスコーンが並べられた台の後ろにも、ほこりをかぶったお皿が並んでました…。

他のお客さんとお喋りしていたマダムが自分の存在に気付いて、こちらにやってきてくれました。まさかと思いましたが、そのパーカーを着たラフな服装をしたマダムがお店のマダムでした…。なんか優雅な雰囲気とは程遠い…「好きな席座ってーー」と口調もラフな感じで言われ、階段のそばのテーブルに座りました。

メニューをもらい、サロンドテなので紅茶を飲むかと思ったのですが、向かって左側の列が全部紅茶で、種類がありすぎで決められません。マダムを呼びつけ、「おすすめは?」と聞いたら「おすすめ…じゃ、アレにするか!」と独り言を行って去って行きました。イヤ、何なのか名前を教えてくれ…とは思いましたがフランス語に対して無力なので何も言えません。ちなみにこれまでの経緯でフランス語にはすっかり懲りているのでこちらは英語で尋ねているのですが、返しはフランス語です。

お茶を入れてもらっているスキに食べるケーキを検討しました。パティスリーのフランス語に対しては無力ではないので、全部何のケーキなのかわかりました。迷わずタルトシトロンメレンゲにしました。
しかし、紅茶を持ってきてくれたマダムに「何かケーキ食べるの?」と聞かれ、「ウイ、タルトシトロン、しるぶぷれー*2」と答えたら「ああー今日はもう終わりなの!あそこにあるやつしかないわ!」と入り口横を指されました。入る時にここにはそそるケーキが無い(でも奥にはあるのかしら?)…と思っていたので、()の中は無かったとガックリきました…。

で、結局コレにしました。今日のおすすめケーキみたいなやつで、メニューにはのってません。これのほかはガトーショコラとスコーンしかなく、ショコラ気分ではなかったので、チーズが入ってると説明されたコレにしました。チーズケーキではないことは見た目からもわかったのですが、食べてみたらほんのり塩味をそえるチーズの風味がするバターパウンドケーキでした。やっぱりフランスのバターは違うなと感心する、しっとりとした味と香りはするのですが、家庭の手作り風ケーキでパティシェの作った優雅なケーキを期待していた自分はちょっとガックリきました。

紅茶もやってきたので、持ってきてくれた時に「これなに」と聞いたら、「プロヴァンスよ」と答えてくれました。The Vert Provanceというやつのようです。花と柑橘系がブレンドされていてとても良い香りで、こってりバターケーキをさっぱりさせてくれるさわやかな飲み心地でとてもおいしかったです。急須のような花柄のポットがすごくかわいいです。カップとクロスと全然コーディネートされていませんが、このちょっとずれたミックス感はださかわいくて良いなあと思います。ポットにはたっぷり紅茶が入っていて、このカップで4,5杯は飲めたような。これで5ユーロは安いです。すごく良い香り!おいしい〜と感激しながら飲んでたら、「セボン?!」と通りすがりのマダムに聞かれました。「せぼん、せぼん!」と言ったら、ニヤっ!と笑って親指立てられました。確かに優雅とは程遠いのですが、このマダムの下町フレンドリーな接客は結構好きかもと思いました。
その後、このマダムの娘さんと孫と思われる男の子がやってきて、男の子がわたしの席の回りを走り回ってたのですが、娘さんがテーブルの横を通るたびに目を合わせて「にっこり」としてくれたので、許さざるを得ませんでした。優雅なティータイムには失敗しましたが、紅茶はおいしいし、パリの家族経営の個人商店はこんなものなのかしらとも思わせてくれて、興味深かったです。
お茶して落ち着いた後は、再びサン・ジェルマンを攻めてお買いものします。

*1:ARRET DEMANDE

*2:これくらいは通じるのでフランス語で