Day2 その1 ホテルの部屋替えからおいしい北欧の朝ごはんまで Portland2014

 2日目の朝は、部屋中の荷物をまとめて、チェックアウトの体制を整えることから始まりました。前の晩、バスルームつきの部屋に替えてもらわないと、この旅は辛い旅になる…ということに気付き、フロントに申し出てみようと決心したのであります。昨日は部屋替えを申し出るにあたって、まずはバスルーム付きの部屋に空きがあるのかをネットの予約ページで確認しました。旅行前に同じページで予約したときは、バスルーム付きで一番安い部屋は$200だったのに、キャンセルが出たのか、直前だから安くなったのかはわかりませんが、$175~180くらい(確か)となっていました。しかも、滞在期間中その部屋は全て空いてます。旅行前にこの値段だったら、迷いなくこの部屋にしていて、今こんな悩むこともなかったのに。と思いましたが、ひとまず部屋替えは出来そうな見込みがついてきました。そして「バスルーム付きの部屋に変えてほしいです。」から始まる会話を想定した英作文を考えてまとめ、変えてもらえるかなー大丈夫かなーと心配しながら眠りについたのでありました。

大丈夫かなーと心配しながらも、当日でも部屋は空いているし、支払う料金は高くなるのだから、きっと変えてくれるはず…!と決め打ちし、変わるならきっと一度チェックアウトするだろうと考えて、この日は荷物をまとめることから始めたのであります。荷物はあまり広げないようにしたのですぐにまとめ終わり、ゆったりスピードのエレベータに乗ってスーツケースを引っ張ってフロントまで行きました。
フロントには昨日も見かけた、ちょっとクールな感じの女子がおりました。一晩考えた英作文を披露したところ、「エーー」といった嫌な顔をされました。サービス業でも露骨に気持ちを態度に出す国、そうアメリカ。しかし渋々バスルーム付きの部屋が空いてないかを確認してくれているようでした。「$175~180のスタンダードルームなら空いてるわ。それでいい?」と聞かれたので、"Yes!"と食い気味に回答しました。2枚の書類がプリントアウトされ、サインをするように求められました。1枚は今泊まっている部屋のキャンセルを確認するもの、もう1枚が今日からの新しい部屋の予約を確認するものでした。念のため、「昨日までの部屋はキャンセルされますよね?昨日の宿泊代と、今日から泊まる部屋代だけがカードから引き落とされるんだよね?」と確認しました。眉間にしわを寄せながら"Yes."と答えてくれました。「チェックインは4時よ。それまで部屋には入れないから」と言われながらスーツケースを預け、あっというまに手続きは終わりました。断られた場合の英作文などは必要なかったなーとほっとした気持ちで街に出ました。

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この日は曇り空で、晴れていた昨日よりも肌寒く感じました。ダウンのファスナーを上まで閉めていると、キャミ姿でモダンな街並みを自転車で駆け抜けていく女子とすれ違いました。おいまじか。

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ホテルのまわりはオフィス街らしく、自転車通勤の人や、歩いてビルの中に入って行く人々をよく見かけました。でも東京のそれとは比べものにならないくらい、人は少なく、快適です。いつでも自分のペースで歩くけるということは、こんなにストレスがたまらないものなんだなーとしみじみ思いました。

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今日は川の向こう側(空港方面)に行くので、こちら側しか走っていない路面電車は使えません。まだどんなルートを走るのか把握できていない、ちょい難易度高めのバスを使うしかないのです。バス停はハワイと同じで、たてストリート&よこストリート(たてよこは適当です)となっておりました。そしてそのバス停に止まってくれるバス番号が書いてあります。ここは街の真ん中なので、結構バスが止まってくれるバス停のようでした。

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10分くらい待って、乗りたかったバスがやって来ました。確かこの時乗ったのは4番。行き先を確認して、反対方向に行くバスじゃないかどうか何度も確認しました。大きな道路に出るまでは反対方向も同じ方向らしかったので、反対側にあるバス停と行ったり来たりしておろおろしました。川を渡ってくれたときは、自分が思っている方向に進んでくれたと思ってほっとしました。

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バスに揺られて15分ほどで、行きたいお店に一番近いと思われるバス停に着きました。かなりガチな住宅街で、ほんとにこんなところにお店があるのか?と大きく不安になりました。こういう玄関ポーチがある家、映画でよく見るなあと写真を撮ったのですが、その後現れる家々はほぼ100%このポーチがありました。ハワイやマンハッタンでは見なかったなー。本土ではこのタイプのお家がスタンダードなのでしょうか。

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住宅街が少し途切れて、住宅街の真ん中にある、小さな商店街のような通りに出ました。そしてお目当てのお店を発見しました。行列のできるお店、と聞いてたとおり、人が集まっております。並ぶのが嫌で早目に出たつもりが、バス停探しなどで手間取ったのですっかり開店時間を1時間くらい過ぎてしまってました。いそいそとお店の方に向かいました。

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やってきたのは、このbroderという朝ごはんが評判のお店でございます。スウェーデン人がオーナー?(フィンランドだったかも?)ということで、北欧らしい水色がイメージカラーとして使われています。水色好きとしては、それだけでこのお店好きかもと思わせられるのです。

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中はこんな風で、少し狭いのですが、温かい雰囲気で、とても落ち着きます。天井のツリーのような骨組みに配置されたライトが、北欧テイストでとてもかわいいです。お店の外には3組ほど並んでいたのですが、とりあえず中に入って一人だと告げたところ、ちょうどカウンターで一人で食事をしていた人が帰るところだったので、すぐに案内してもらえました。

ブレックファーストメニューにはハムやたまごや野菜などが少しずつボードにのせられたSwedishBreakfastと名付けられたものや、スウェーデンらしいミートボールなどもあったのですが、見た感じ、周りの人が一番食べていたと思われるメニューにしました。

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それはこちら!Swedish Hushなるものです。ボードの上にはパンとバター、そして四角い目玉焼きがのっかった鉄板が並んでいます。上にのっかっているのは色鮮やかなビーツ、そして目玉焼きのふとんをめくると…

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さいの目にしたベーコン、ポテト、パプリカなどの野菜、そしてショートリブを炒めたものがひそんでます。たぶんですが、さいの目にして炒めたものをハッシュと呼んでいるのではないのかと思います。ハッシュの種類は選べて、他にはサーモン、べイクした野菜だけのものもありましたが、一番肉肉しいものにしました。いつもなら一番選ばないと思われるお肉系です。

一番しない肉肉しいチョイスをした理由は、メニューを決めているときにさかのぼります。一生懸命、英語のメニューを熟読していると、隣に座っている女子に「日本人ですか?」と日本語で話しかけられたのです。おお!日本人だ!雰囲気がこなれているから、現地に住んでいる人かな?と思って、そうですそうです!と答え「あなたも日本人ですよね?」と聞くと、「いえ、私は韓国人なんです」という回答が返ってきました。言われてみれば、黒髪や目元のメイクがKoreanぽい…でも日本語がとても上手で、日本語を使っていることにまるで違和感がありませんでした。なぜそんなに上手なんですか?、と聞いてみたところ、数か月日本に留学していたことがあるから、と理由を教えてくれました。やりとりに全くストレスがなかったので、数か月の留学でこのレベルに達するのはすごいな~と感心しました。

彼女はKoreanでしたが予想どおり現地に住んでいるらしく、隣の席にはアメリカ人の旦那様が座っておりました。メニューに迷っていたら、「ハッシュならお肉のやつがおすすめよ。彼も食べているわ」と教えてくれ、旦那様も「オイシイヨ!」みたいな笑顔で自分が食べているものを見せてくれました。せっかくおすすめしてもらったので、お肉もいいかなーと思い選んでみたのです。

ベーコンとショートリブはわりと大き目なさいの目にカットされており、食べ応えがありました。味付けは塩こしょうくらいなシンプルな味です。目玉焼きのたまごをくずしてからめて食べました。確かに素材の組み合わせに間違いはないし、ふつうにおいしいはおいしいのですが、塩こしょうしたお肉とベーコンのシンプルな味以上の何物でもなく、びっくりするほどおいしい、という感動はなかったです。行列する有名店ということで、ハードルを上げてしまいすぎたようです。

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Koreanの彼女は、食べている間もときどき話しかけてくれました。韓国でもTrue Portlandの本が出版され、おしゃれな人たちの間でポートランドが流行り出しているのだそうです。おしゃべりしながらも、目の前がキッチンなので、どんな風に料理しているのか観察してしまいました。とても手際がよく、リズムよく料理が完成していくので、人気店のプロの仕事の美しさ半端ない、と感心しました。

 

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観察途中、大きなタコ焼き器のようなものをコンロの上にのせて、しゃばっとした液を流し込んで何やら作り出したのを見て、何だろう、と思っていたら、これがKoreanの彼女のカウンターに運ばれてきました。デンマーク風パンケーキらしいです。これもこのお店の名物の1つのようです。レモンカードとベリーのジャムが添えられています。

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「わたしたち二人じゃ食べきれないから、よかったらどうですか?」と1つ分けてくれました!ちょっと味が気になっていたので、とてもとてもうれしかったのであります。しかもこの写真を撮ったあと、「レモンカードもおいしいから、ぜひ食べてみて」とさらにお皿に取りわけてくれました。感動。カードはしっかり酸っぱい味がして、甘さはくどくなく、とてもおいしかったです。パンケーキはふんわりというよりかは少しだけむっちりした感じで、パンケーキ本体にはほんのちょっぴり甘い味がするだけでした。ベリージャムとレモンカードで甘酸っぱさを添えると、くどすぎないすっきりした甘さになって、朝にちょうどよいバランスの味になりました。ハッシュもパンケーキも、シンプルな味でふつうにおいしいのですが、想像以上の味ではなかったのが少し残念でした。期待しすぎなければ、きっと満足できる味だと思います。

ハッシュの量が自分には少し多いかもなーともぐもぐ食べていたら、お隣のKoreanの女子と旦那様はいつのまにか食べ終わってました。そして、「このお店も、ポートランドの旅も楽しんでね」とニッコリ笑って去っていきました。彼女との出会いで、正直今まで特に何とも思っていなかったKorean女子のイメージが、だいぶ良い方向に変わりました。こんな風に偶然出会った誰かと食事中におしゃべりする、ということが今までなかったので、これはポートランドという街がフレンドリーさを生み出してくれているからやってきた出会いなのかなー、と思ったりしました。

出会いを含めてなかなか満足した朝食のあとは、食後の1杯のコーヒーを飲みに行きます。