3日目 その2 嘯月で紅葉を 京都・奈良2011

北野天満宮を出て、次の目的地嘯月の近くまで行くバスに乗るために、1つ隣の北野白梅町まで走り気味に歩きました。しかしバス停が複数あるパターンで、最初にたどり着いたバス停には目的のバスが来ないことがわかり、さらに焦りました。iPhoneをあやつるヒマもなく、辺りをきょろきょろと見回して、なんとか道路1本向こうにあるバス停を発見することができました。

食べログに「北大路駅から徒歩10分」と書いてあったので北大路まで行くつもりでしたが、地図を見てたらその手前にある北大路新町の方が近そうだなーと思い、下りてみました。読みは当たって2、3分歩いて嘯月に到着することができました。住宅街の真ん中でわかりづらいとの話でしたが、角地に建っていて目につきやすいので、とってもわかりやすかったです。
嘯月は「しょうげつ」と読み、虎が月に向かって吠える、という意味を表してるらしいです。何で虎かと言うと、こちらの初代が虎屋で修業したかららしいです。なんと風流な…。

お店の外のショーケース?にはお菓子が飾ってありましたが、中には何の見本もありません。お菓子は出来立てが美味しいので、お客さんが取りに来る時間から逆算してお菓子を作り、作り置きしないため、予約が必須なお店なのです。京都に着いてからすぐ、予約の電話を入れてみたのですが、祝日はお休みだったらしく、電話がつながりませんでした。前日じゃダメかなーと思いつつ昨日電話を入れたところ、受けてもらえたので10時に上生3個で予約を入れておいたのですが、10分ほど遅刻してしまいました…。なんとなく敷居が高そうなので、10分の遅刻でも冷たくされるかなーと思ってびくびくしていたのですが、迎え入れてくれたおかみさん?はとても優しくて、笑顔で「お待ちしてました」と言って奥からわたしの箱を出してきてくれました。よかった…。

頑張って手に入れた一箱でございます。平らにお持ちするのが苦手なので、お店で見せてもらった時の形をちゃんと保持しているかドキドキしながらの開封です。

とりあえず崩れたところがなかったのでホっとしました。箱の中には小さな紅葉が広がっているのであります!実は楓形のこなしは、最初飾ってあった白い薯蕷饅頭だったのですが、おかみさんにお店で「こなしの方がよかった?交換する?」と言ってもらえたので、こなしにしてもらいました。ちゃんと新しく作りなおしてくれたらしく、少し待ちましたが、箱を開いた時の気持ちがさらに華やかになったので、交換してもらってよかったなーと思いました。

まずは嘯月を代表するきんとんです。こんなに細かくて繊細なきんとんは見たことがありません!美しさに食べるのいを躊躇しましたが、作りたてを味わいたいのでやっぱり食べました。しっかりと甘みがありながら、すうっと溶けていく見た目と同じ繊細な味わいです。甘ったるかったり、ノドに変につっかかる感じはありません。

餡を味わう村雨は、きんとんよりも食感を残したつぶ餡を、もっちりとした紅葉の粒が囲っています。食感の強いお菓子で、つぶ餡がたまらなくおいしいです。

おかみさんのおかげで味わうことができたこなしです。最初はもちっとした食感ながら、最後は餡と一緒にすっと溶けてなくなります。甘いだけの上生菓子とは一味もふた味も違います。感動しました。
以上3つをおいしく頂き、「日本中のお菓子の中の最高峰」という山岡さんの言葉にウソが無かったことを確信しました!見た目も美しいし、これからも京都に行く時は頑張って予約を入れて買いに行きたいです。ちなみにお値段は、たぶん1つ380円だと思います。高い…でもその価値は確実にあるので、何年かに1度の京都旅行でなら、少しくらいの贅沢はしても良いかなと思います。
和菓子ってすばらしい…と実感した後は、またもや穴場に紅葉狩りへと参ります。