2日目 その7 続・雨降りの桂離宮散歩 京都2013


2つ目の茶室である賞花亭のおだいどこです。竹で組んだ床の下を水が流れて行く感じでした。外の緑を眺めながら、水仕事ができるような位置に窓が配置してあります。なんとなく現代の台所と通じるものを感じました。でも写真で全景を撮れなかったのですが、本当に簡素なおだいどこで、こんなところで火とか使えたのか?と若干疑いました。

賞花亭の前に植わっていた緑の葉の上に、しずくが落ちてきらきら光ってとてもきれいでした。何の葉なのか名前わからず。

賞花亭の前はちょっと茂ってますが、やっぱり池が見えて抜けが良い景色でございます。

続いての建物に行くには、見た目は両脇に苔が植えられていて美しいのですが、手すりも何もない、すべったらこわい木の橋を渡ります。

園林堂と名前がかかっています。おんりんどうと読むらしい。ここはお茶室じゃなくて、遺骨を納める場所だったらしいです。今は建物が残っているだけなのだとか。雨降りの日に写真を撮るには暗すぎた。

再びアーチの木の橋を渡り、向かいの島までやってきて、園林堂のある島を振り向いて撮ってみました。島の形がすごくきれいない円形であります。

続いての建物はふたたび茶室です。笑意軒という名前でした。こちらは他の茶室の高貴な雰囲気に比べると、少し庶民的な雰囲気です。

窓の向こうに見える木々のさらに向こうには、水田のような風景が広がっていました。ふすまの取っ手は矢をイメージしてデザインされているようです。The日本建築みたいな感じなのに、細かいところで遊び心もあるんだなあと感心しました。

いよいよメインの建物までやってきました。新御殿と中書院です。手前で宮内庁の職員さんがアツく建物について説明してくれています。彼がちょいちょい出してくる異国の方いじり*1は手慣れたものでありました。で、中には入れないんだろうな…入りたいな…と念を送っていたのですが、やっぱり入れませんでした…。

違う角度から見たところです。昔先生が「住みやすい家というのは、どの部屋からでも回れる平面で、代表的なのは桂離宮桂離宮の平面図は本当に美しいです」と語っていたので、ぜひともその空間を体験したかったのですが、美しい立面だけでも鑑賞できてよかったです。

歩きながら焦って取ったのでナナメってしまいましたが月見台です。何百年前に、ここに貴族たちが並んでお茶を飲みながら、月を眺めていたそうです。

月見台の方向を見ると、こんな風景です。何もないとシンプルすぎる風景ですが、この池の上にぽっかりと月が浮かぶのであれば、ベストなバランスと思われます。

少し斜め前方だとこんな光景。ここに月だとちょっとクドいかなーと思いました。やっぱり計算されつくされているのかも。

ちょっと野山な雰囲気の小道もありました。でも1つ1つ、本当に丁寧に手入れされていて高貴なムードです。

最後の建物である月波楼までやってきました。ここも確かお茶室です。ちょっと縁側っぽいものがあります。

少し池にせりだしているので、池に浮かんでいる雰囲気を味わえます。向こうに見えるのは、1つ目の茶室である松琴亭です。雨ふりでも、この建物から見るといい感じだなーと思えました。

中はこんな風な舟底天井と、ガーリーな壁紙が貼ってあります。雰囲気にもあっているしすごくかわいい。唐長のやつとかなのかなあと思います。

月波楼の先には、住吉の松という低い松が植えられています。池の眺めを遮って、訪問者からすぐ見えないようにするものだそうです。道順的にはもういろいろと目撃してしまっていますが…。

ということで、これにて桂離宮散歩は終了なのであります。所要時間1時間。最後の方はかなり強い雨に降られて厳しかったですが、隅から隅まで神経の行き届いた美しい庭を散策できて癒されました。本当に撮りどころがたくさんある美しい建物と庭です。また違う季節に来たいなー。

出口の壁垣の屋根が苔むしていたので、アップで撮っておきました。なんてきれいで鮮やかな緑…!

枯れ葉とか落ちてるのもいいよねー、と何枚も撮りました。自分以外にはおそらく価値のなさそうな写真であります…。
桂離宮は満喫しましたが、すっかり体力を使い果たしてしまったので、観光とか散歩はもう終了して、次はもう夜ごはんです。

*1:ゲ・ン・キデスカーって言うだけなんだけど…

2日目 その6 雨降りの桂離宮散歩 京都2013


中村軒で満腹になった後は、急いで桂離宮に向かいます。向かいますと言っても目の前が既に離宮なわけなのですが、地図を見ると入り口はバス停からぐるりと回らないといけないようなのです。左の方から回ると時間がかかりそうだったので、桂川沿いの右の道を選んで歩いてみました。写真だとそれほど感じませんが、とにかく狭い道路で、歩行者が歩けるのは向かって左がわにある白線の内側の狭ゾーンだけなのです。最初の方は側溝にふたがありますが、途中からなくなって段差が半端ないので、道路にはみだして歩くしかありませんでした。両車線から車が走って来るとどうしようもありません…。この道は歩行者が歩いて良い道なんだろうか?と急ぎながらも悩みましたが、帰りに大人な参観者のみなさんが、車がやってきても意に介さず堂々とこの道を歩いていたので、たぶん歩いて良い道なんだと思います…。

反対側に回ってくると入口らしき門が見えてきました。近づいてみると、壁が竹でできてます。なんというオシャレデザイン。そしてなんという味の出方。京都の名所はどこま負けず劣らず美しいですが、宮内庁管轄という、格の違いを見せつけてきてます。しかしここはまだ入り口ではなかった。

竹の壁沿いを進んで来ましたが、一向に入口が見えてきません。まだアプローチがある…。この写真のカーブの果てにやっと職員の方がはがきチェックをするゲートがありました。指定した参観時間に間に合わないかと思って焦りました。
桂離宮は無料で参観できるのですが、申し込みをした上で、決まった時間にしか見学ができないのであります。オンラインからも申し込めるのですが、ハイシーズンでもない6月なのに×ばかりついていて、今回もだめか…とあきらめていました。しかしいろいろ調べていると、オンラインの参加枠よりも往復はがきの参加枠の方が多く取られているということがわかり、試しに往復はがきを郵便局まで買いに行って申し込んでみました。この時1ヶ月前。なかなか往信がやってこないので忘れかけていましたが、2週間くらい前にやっと当選の往信はがきがやってきました。×になっていても、あきらめずにはがきで申し込んでみると良いようです。ただ、紅葉のシーズンはかなりの競争率なので、はがきでも厳しいと思いますが…。

桂離宮の説明と見学時の注意みたいなビデオを鑑賞後、いざ参観開始です。この日は20名ほどおりました。アジア・欧米・中東からやってきたと思われる異国の方も4、5組おりました。一緒に移動するにはかなりの人数です。雨もぽつぽつと降り始めて、後ろの方にいると職員の方の説明がまったく聞こえない状況に…。

参観コースの入り口である御幸門(たぶん)を振り向いてみたところです。この状態でもそこそこ美しいのですが、両側の木が紅葉したら得も言われぬ美しさであろうと思われます…。

残念なことに、写真は許されたタイミングでしか許可されておりません。参観者の中にはお年を召した方も多く、道も平坦でないため、転んだりすべったりして危ないからとの事でした。説明中でも立ち止まっていればOKということだったので、建物や庭の説明を受けているときに、後ろの方でこっそり苔むしている灯篭と水がたまってる何かを撮ってみました。無造作に放置されていたように見せて、簡単に出せない味を見せつけているのに京都の深さを感じます。

計算されつくした池や石の配置にうっとりします。池にあんなさざなみ出るもんなのか。こんなに美しい庭を保持している限りは、京都の人が偉そうにふるまっても自分たちの街にプライドを持っても仕方があるまいと思えます。

1つ目の建物である松琴亭です。雨はますます激しくなり、建物を抜けた向こうの池にざーざーと降り注いでいるのが見えます。建築物にとって抜けは美しさを語る上ではずせない要素なのであります。

この建物のある島に来る前に渡った、一枚岩の石橋です。何百年も前に、こんな岩を削って持ってくるのは大変だったであろうと思われます。しかしすべったりして危ないというのは脅しでは無かった。

別の石橋を渡ってきた後に振り返って撮ってみました。庭内のアプローチはこんな感じばかりです。注意深く歩いていると、修学院離宮ほどではありませんが、参観時間も1時間ほどあるので結構疲れます。

松琴亭の室内です。何だこの北欧チックなカラーリングは…!すごい好み…!とうっとりしました。市松模様もこの色だとモダンデザインに感じられます。当時から本当にこの色だったかどうかは、話しをよく聞いていなかったので謎でございます。

別の角度からも、抜けた向こうに池が見えるのであります。まるで絵画のような美しさです。こんな場所で過ごせたら時間を忘れそうです。今は「移動しますよー」と言われたら、写真を撮るのもやめねばならない身ですが…。

空が開けた場所に出ました。1つ1つの植え込みすべてが美しく刈り込まれております。そのスキのなさのせいか、日本的なじとっとした質感はまるで感じられないのです。

お花はほとんど咲いておらず、緑ばかりでしたが、松琴亭の横に、つつじの花が咲いておりました。雨降りの曇り空の下で、ぱっと鮮やかな色を差して華やいだ気持ちにさせてくれました。
この辺りでだいたい4割くらい進んだところです。参観はまだまだ続きます。

2日目 その5 中村軒の関西だしのそうめんとつぶ餡の餅 京都2013


百万遍でお土産を購入し、再びバスに乗って京都駅にやって来ました。京都駅…いつ見ても無いわー、と思うのですが、建物が古びてきて、さらに無い感じになってきてます。あのデザインを採用した人の美意識を問いたい。
この日は午後から桂離宮の参観の予約を入れていたのですが、桂離宮が結構離れた場所にあるので、ぎりぎりに到着して焦らないように、早目に到着して参観時間までお茶する計画でした。事前に調べたとこと京都駅からバスで30分もあれば着きそうだったので、参観時間の1時間弱前に到着するバスの時間を確認して、京都駅で静かに待っておりました。しかし…。いつまでたっても目当ての時刻のバスがやってきません。10分以上待ってようやくバスがやってきたのですが、道路が混んでいたのか、到着するはずだった30分後にはまだバスに揺られてました。たぶん40分くらいは乗っていたように思います。

ようやく桂離宮前のバス停までやってきた時は、残り時間30分程度でありました…。余裕だと思っていたのにぎりぎりです。でもお茶しようと思っていた中村軒は、バス停のすぐ目の前にあったので、探す必要がなくて助かりました。ずっと行ってみたかった中村軒ですが、桂離宮以外何も見る物がない場所にあるため、いつか桂離宮に行ったときに行こう…と思い続けていたのであります。今回やっと桂離宮の参観予約を取ったので、念願の中村軒にもやってくることができました。

中に入ると広い土間があり、お持ち帰りのお菓子を売っているスペースが端にありました。中でお茶をしていきたい旨告げると、奥の座敷を案内されました。週末は行列になることもあるようですが、テーブルの半分は空いておりました。おかげでゆったりと過ごすことができました。

部屋は暗めなのですが、奥の窓からは中庭が見えるので、視界に自然光が入って来て良い感じです。おばあちゃんの家に来たような懐かしいムードです。

本当は甘いものだけを食べる予定だったのですが、お昼もだいぶ過ぎて、すっかりお腹が減ってました。お食事のメニューはあったのですが、種類は実質3種類だけ…ちょっと悩みましたが、そうめんが関西だしの汁に入っていると書いてあって気になったので、普段は絶対頼まないであろうそうめんを頼んでみることにしました。そうめんで失敗したら嫌なので、ご飯も着くそうめんセットにして保険=ご飯も確保しました。お食事メニューの隣にある、わらび餅やあんみつに激しく心ひかれましたが、時間もお腹も自信がなかったので甘味はあきらめました…

中村軒はかき氷も評判が良いので、かき氷にも一瞬ひかれました。ふつうのサイズはとてもご飯の後に食べられそうにもなかったのですが、ミニサイズの宇治金時を見つけ、これならイケそう…とちょっと思ったのです。しかし残念ながらこの日は曇り空で少し肌寒く、かき氷っていうテンションではありませんでした。もっと暑い日に来たかった…無念。

しばらくしてから、そうめんセットがやってきました。よく関西の人は、「関東のうどんは汁が黒い」と言いますが、うどんを食べないのでそれが実感できたことがありませんでした。やってきたそうめんの、さぱーとした白めの汁を見て、初めて「黒い」と言われはる意味がわかりました。確かにこれに比べると黒い。関東の黒い汁がデフォルトの自分からすると、味するのかなあ?と不安になるくらいの白さです。味のしない汁をイメージして口に入れたのですが、だしの味と香りが口の中いっぱいにひろがって、かなりしっかりした味がしました。これならそうめんもおいしく食べられるなーと完食しました。

保険のごはんの方には、細かく刻んだしば漬けと青じぞが混ぜられてました。シンプルだけどおいしいです。今度マネしよう…と思いました。昆布の佃煮もついてました。後ろのたっぷり青ネギはそうめんに投入しました。

甘いものはいろいろあきらめたのですが、中村軒スペシャリテである麦代餅のミニサイズがあったので、これならそうめんの後でも食べられそう!と注文してみました。しっかりむっちりしたお餅の中に、甘さがしつこくない、粒々の餡がたっぷりはさまれてました。上からふりかけられたきなこも良いアクセントを加えてくれています。お餅がほんとにしっかりしているので、餅食べたなー!という感じがとても強かったです。他の甘いものも食べたくなってしまいました。しかし麦代餅を食べ終わる頃には、参観時間が押し迫ってきていたのであきらめざるを得ませんでした。思い残すことがたくさんあったので、またいつか来たいです。
次はついに、桂離宮に潜入します。

2日目 その4 おいしい全粒粉のパンと野菊のお菓子と本にまつわるあれこれなお店に 京都2013


下鴨神社を通り抜けて大きな道路に戻ろうと歩いていると、すぐに下鴨デリが目に入りました。下鴨神社の麓という言葉がぴったりなロケーションにあります*1。本当はこちらのお店でランチとかしたかったのですが、時間が合わなかったのであきらめました。まだ午前の早い時間なので、お店も開いてませんでした。思ったよりこじんまりとしたお店でしたが、逆にそれが落ち着きそうな雰囲気でした。

下鴨デリの2軒先にあるナカガワ小麦店は営業していたのでほっとしました。こちらは有機小麦を石臼で自家製粉した全粒粉のパンが売りのお店で、全粒粉好きとしてはどうしてもハズせなかったのです。ナチュラルだけどレンガで少しだけ重々しい外観が、ずっしりした全粒粉のパンを思わせて期待に胸が膨らみました。

中に入ると数はそれほど多くありませんでしたが、期待通りハード系のパンがずらりと並んだ茶色いラインナップでした。カラフルなデニッシュなどはありません。硬派な茶色。お店の中全粒粉の香ばしい香りに包まれていました。本当はガチなハード系パンを買いたかったのですが、トースターもないし、半分にしても全部食べられる気がしません。迷っていたらクロワッサンも自家製全粒粉を使っていると書いてあった(気がする)のを見つけたので、クロワッサンに決めました。小ぶりのせいか値段も高くなく、確か160円くらいです。お店の雰囲気にマッチした、ゴールドのロゴが入った紫の袋に入れてくれました。オシャレ。しかし次の日食べてトースターで焼き直しもできないという悪条件のせいか、ぱりっと感はまったくなく、ふにゃりとしてしまってました。全粒粉の押しはあまり強くなかったので、ふつうにおいしいクロワッサンとして食べられると思います。バターの香りいっぱいで味はとてもおいしかったです。

もう1つ最近気になっているシナモンロールも買ってみました。これも小ぶりだったのですが、120円とか150円とか良心的な値段だった気がします。これは見た目の素朴さに反してかなーりおいしくて、最近食べたシナモンロールの中では一番のヒット作でした。全粒粉の香ばしさとシナモンの香りがこんなに合うなんて…!中からとろりと出てくるフロスティングの絶妙な甘さもパンの味と最高のバランスで感激しました。よくあるぱさぱさのシナモンロールとは同じパンの名前をつけられているとは思えないほどしっとりしています。忘れられない味でございました。
次はさらにバスで北上したところにある、コレットという女の子がやっている焼き菓子のお店に行こうと思いお店の営業時間と定休日をチェックしました。お店は金、土、日しかやっていませんでしたが、運よく今日は金曜日。行ける。しかしオープンは12時となっていました。現在午前10時半。2時間この周辺で時間をつぶすのはキツイなあ…。と思いあきらめました。

代わりにバスでやってきたのは、いつもの恵文社でございます。一乗寺が好きと言う理由の中に、確実にこの本屋さんは入っているのであります。京都に住んでたら、予定のない週末はしょっちゅうこの本屋さんに訪れて面白そうな本を探すのであろうと思います。しかしこの日は午後から決まった予定が入っており、ゆっくり見て回ることができず、読みたい本は見つけられませんでした。

恵文社に来たら本の他に、作家が展示をしているギャラリーを見るのもとても楽しみだったのですが、今回行ったら封鎖されてました。えー、なくなった?と思って貼り紙を読むと、隣に移転したと書いてあります。外に出てみると、真新しい外観のギャラリーが増設されておりました。スペースもかなり広く明るい空間になってました。でも以前の薄暗い屋根裏部屋で、宝探しのできるような雰囲気も好きだったんですが。

こちらもちょっぴり駆け足で店内を見て回ったのですが、naniIROの布に一目ぼれして買ってしまいました。正直、東京の他のお店にも売ってるだろうよ…って思ったのですが、この微妙なブルーグレーに心を掴まれて、即買いしてしまいたくなったのであります。

布幅も確認して、我が家のクローゼットのカーテンサイズとほぼ同じ幅(微妙にせまい)だったのでやっぱり即買い。予想通りほぼぴったりでした。秋の雰囲気が出てきました。

それからあまり他のお店では見かけない、かわいいマスキングテープが並んでいたので手に入れました。ミナ・ペルフェノンのやつもたくさんあり、心ひかれたのですが、ありそうでない色合いの、細いテープがかわいかったので、お土産もかねてこちらを買いました。

恵文社を出て移動のためにバス停に向かっている途中で、こんなかわいいお店を見つけました。この色合いが最高に好みです…。中は美容院のようでしたが、こんなお店であまいもの売りたいなーと妄想できました。

大通りに出て、バスで京都方面に向かい、百万偏で下りてもう1軒行きたかったお店に寄りました。かぎや政秋という、創業94年の老舗の和菓子屋さんです。まあ京都では若手とか言われるのかもわかりませんが…。渋めで重厚な雰囲気のお店だったですが、店員さんがとても感じ良くて、何を買おうか悩んでいたら、「よかったら試食いかがですか」と試食のお菓子をすすめてくれました。30代くらいの女性だったのですが、私服だったし、お菓子の説明にとても愛情がこもっていたので、おそらくお店のオーナーの娘さんとかお嫁さんとかそんな感じの方なのだろうと思います。試食の上、賞味期限も合わせて検討して2つのお菓子を買いました。1つ目はお店のスペシャリテであるときわ木というお菓子です。

こんな風な平らであんを伸ばしたような薄い小さなお菓子が、3つ1セットにパッケージされてます。見た目が地味なのであまり眼中に入っていなかったのですが、試食したらあんの甘さとか焼いた香ばしいさとかがぎゅっとつまっている濃い味のお菓子でとてもおいしかったのです。この大きさと薄さなのが納得できてしまいました。

箱を開けたら松の葉?みたいなものが入ってました。なんというセンス…!見た目の地味さを補うラッピングです。賞味期限も15日あるし、箱も小ぶりで持ち運びしやすいので、こういうセンスに胸をときめかせてくれる人のお土産にするのにぴったりだと思います。

もう1つは野菊というお菓子です。このお店に来ようと思ったのはこのお菓子を生で見たかったからでした。食べたかった。ではなく見たかった…です。一応味見もしましたが、もう買うことは決めていたので速攻買いました。包み紙もすごくかわいいです。でもトンボとかいるけど…。

箱を開けると中にこんな風に野菊を模したお干菓子が並んでおります。葉っぱの干菓子が少しだけ入っているのがこれまたオシャレ…!干菓子もだたの干菓子ではなく、和三盆ベースにアーモンドが練りこまれているという珍しいものなのです。アーモンドが香ばしくて、ふつうのお干菓子よりも気軽に食べやすいお菓子になってました。
お土産やパンを買いこんだ後は、この旅行で唯一決まった時間の予定をこなしに行くために、京都駅に向かいまする。

*1:カフェから下鴨神社は見えないかもしれない

2日目 その3 糺の森と下鴨神社で心の淀んだ空気を追い払う 京都2013


橋を渡ってもうしばらく歩き、糺の森にたどりつきました。自分はこの漢字が読めなかったので、今「ただすのもり」って入れたら変換されたからビックリしました。車がびゅんびゅん走っている道路に囲まれた異空間です。一歩足を踏み入れるとそこはもう森の中。

すぐ目に入った1つ目の鳥居を抜けると、真っ白な砂利石が敷き詰められた神社が現れました。ここは河合神社という神社らしいです。京都の神社はどこも本当にきれいで、いつも一目見た時に感動してしまいます。パワースポットを棒読みしてしまう自分ですら、丁寧に手入れされた建物と白い砂利石に囲まれているだけで心洗われてしまうのでありました。

毎度おなじみこげ茶ベースの建物に金の灯篭(的なぶらさがっているやつ)。京都の神社って、どこも本当に同じ人がデザインしてるんですね。と思ったけど今熊野神社はちょっと違ってた。そういえば。ちょっと南だから管轄外?

河合神社は玉依姫命という女性の神様が祀られていて、この鏡絵馬というブツに自分のメイク道具でメイクするか、お化粧室という横の建物に置かれているクレヨンでメイクを描いて奉納すると、べっぴんさんになれる美麗祈願というものをやっています。イベント性を重視してやってみようかと思いましたが、800円という金額とパワースポット(棒読み)を思い出して踏みとどまりました。元の顔が残らないくらいすごいメイクを描いて、訪れる人をビビらせてもみたかったのですが。

しかし大好物の苔むした茅葺屋根?を見て満足したので一礼して河合神社を去りました。まだまだ見どころは続くのでゆっくりしているヒマはありませぬ。

鬱蒼とした森をずんずんと歩いていきます。雨は小ぶりでしたが、昨日のどしゃぶりで、砂利が敷かれていない道はどろどろにぬかるんでおりました。ものすごくソフトに歩いてなんとか泥はねを抑えました。そんな歩き方と、まとわりついてくる湿気に囲まれて、森林浴を楽しみながら散歩する気持ちには全くなれませんでした。晴れた日に来たら森の美しさを堪能できたのでしょうか。

そしてやっと、本丸の下鴨神社が現れました。この頃からまた雨が強くなってきましたが、その分緑が鮮やかに撮れたので良しとしました。赤い柵を超えた左がわに、茶寮宝泉がプロデュースしたらしいさるやというお茶屋さんがあるのですが、思った以上にオープンエアで、雨ふりの日には落ちついてお茶ができなさそうだったので立ち寄りませんでした。そういえば宝泉にもまだ行ってない。

その横に物販スペースがあったのでちょっと立ち寄ってみました。手ぬぐいやチャームなどの下鴨神社グッズがたくさん並べられていて、商売上手よのう…と感心していたら、はぎれを使った、1つとして同じデザインのないおまもりが並んでいたので心奪われました。かわいい柄があったら買ってしまおうかと、思わず見入ってしまいました。

しかしぐるりと一周して、このほたるの輝守を見つけてさらに心奪われてしまいました。優雅というよりはちょっと面白要素を感じさせる細かい刺繍、ほたるの文字、暗闇の中で蛍が光ります!という説明文、とどめは期間限定というキャッチフレーズでもう買うしかないという気持ちになりました。しかしこれはどうやって持ち歩こう?鍵につける?と考え、キーホルダー代わりにつけてお守りが薄汚れて行く様を想像してしまったので踏みとどまってしまいました。鍵につける以外思いつきませんでした…。家に飾るっていうのもな…。

やっと下鴨神社の中へ入ります。メインゲートの前で、いつまでも嫁の写真を撮っている方がどいてくれないので、面倒くさくなって撮ってしまいました。でも今見ると、ほのぼのしていていい光景が撮れたのでよかったです。自分は決して入ろうとせず、嫁の写真をひたすら撮っている年配のご夫婦は観光名所あるあるですな。

ゲートをくぐっていきなりトラックが止まっていたのでテンションがだだ下がりました…。そういえば昨日行った法金剛寺もかなりの工事現場でした。美しく保つためには修復作業などをしょっちゅうやっていないとダメなのでしょうね…。

真っ白い砂利石のど真ん中に建ってた何か。静粛な雰囲気です。この雰囲気を伝えたかったのに、傘を差して無理矢理撮ったので曲がってしまいました。すいません、写真がヘタな事に対する言い訳でした。

お参りは自分の干支のところでしてくれという看板が建っており、見回すと2つずつの干支が束ねられた十二支のミニお参りシステムが備えられておりました。自分の干支はどこかなーと探していたら、全身白い作務衣的な服を着た神社の方が出てきてあやしい動きをしていたので何か撮ってしまいました。何だったんだろう。ラジオ体操タイム?

御簾はチョコミントカラーです。かわいい。チョコミント&ゴールドでコーデすれば京都の神社的インテリアになるかもしれない。

神社を通り抜けると、最後に馬車みたいなものがつながれてました。全然写ってないですが、向かって左奥に見えるのがそれです。どこもかしこも美しく手入れされていて、やっぱり京都の神社はいいなあ…とうっとりした後は、行きたいお店を見学したり買い物したりします。