1日目 その4 雨の祇園から東林院の沙羅双樹へ 京都2013


パティスリー・デ・レーヴを出てから、少しだけ小ぶりになった雨の中を歩いて祇園までやって来ました。雨でも風情のある街並みです。祇園はいつも人が多いので、できるだけ避けるようにしているのですが、雨なので人がほとんどおらず快適でした。いや、雨ふりが快適ではないのですが…

通りがかりに佐川の営業所を発見。すごい街になじんでる…。
祇園にやってきたのは鍵善良房の干菓子がかわいかったので、お土産に買おうと思っていたのです。しかし隣接するzen cafeの方は見つかったのですが、お店は見つかりませんでした。カフェはドアが開いていたので入ってお菓子を売ってるお店のことを尋ねようとしたのですが、お店の人は現れずじまいであきらめました。

すぐにバス停のある大通りに出られたので、ささっとバスに乗って次の目的地に移動しました。前回は嵐電に乗って向かったお寺パーク*1妙心寺でございます。バスでもそんなに時間はかからず来られました。雨が少しやんできたので「これくらいの雨なら平気だな」と雨女の余裕をかましていた頃です。後にこの余裕が甘かったことを思い知る。

妙心寺の中に入り、目的の東林院へ向かっている途中で白い花がほろほろと落ちているのを見かけました。今から違う白い花を見に行くのですが、ちょっと見とれてしまいました。晴れの日に見るのとはまた違った印象を受ける光景であります。

妙心寺の端のほうにある東林院に到着しました。普段は非公開のお寺なのですが、6月の沙羅双樹の花が咲く時期だけは一般公開してるのです。沙羅双樹とは、平家物語の冒頭に出てくる「園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす…」のアレです。お茶とお菓子つきとはいえ1500円の入場料にひきましたが、1度くらい見ておいてもいいか、と思って鑑賞することにしました。

門をくぐって建物までのアプローチも、京都のお寺は抜かりなく整えていることが多いのでこちらも気が抜けません。きれいに苔むした植え込みが続いています。雨の日に苔は映えますのう。

くちなし(ーの丘の上で♪)…も咲いていました。ちょっと枯れている。

中に入ってお金を払うと、さっそく目の前に沙羅双樹の庭が広がっていましたが、お坊さんが一番いいと思われる場所に陣取ってマイクで語っているのが目に入りました。どうもトークでおもてなし、ってことで喋ってるようなんですが、どちらかというと場所を空けてもらった方がおもてなしされてる気分になるなと思いました。この写真はお坊トークが完了してから撮ったものなんでありやす。確かに沙羅の花が苔むしたお庭に落ちて美しいのですが、お花は朝冷蔵庫から出してきて配置しているという噂を聞いたことがあるのですが、沙羅の樹がないところまで花がきれいに落ちているのを見て、本当かも…と思ってしまいあまり感動はできませんでした。自分はネガな方向に傾いて損をするタイプなので、そうでない人には気にせず感動してほしいものであります。

今まで沙羅と白い椿は別物だと思っていましたが、同一人物(花)かもしれない、と思えてきました。濃い緑が似合います。

お茶を運ぶから赤いところで待っててくれと言われたので、庭に近い方を陣取っていたら、運んできたジャニーズJr.風の作務衣を来た男子に「あちらに行ってくれますか」と冷たく奥の方を見て言われました。だって赤い所って言うから…とぐちぐちと思い移動しました。庭は遠い…。

Jr.の心のこもってない風の「ごゆっくりどうぞ」という言葉と深々としたお辞儀で供されたのは抹茶と黄味あんのきんとん、葉っぱ型の干菓子です。ブランドを確認したところ老松でございました。さすがにきんとんは甘ったるい感じはせず、甘さがほどよい上品な味わいでした。お寺で抹茶と上生菓子を頂けるなんて幸せです。干菓子はちょっともさもさはしていたかも。でもかわいいから許す。
その後何人かお茶をするお客さんが現れたのですが、皆自分と同じように庭の前の赤い所にすわり、促されて奥にやってくるというパターンを繰り返してました。お菓子を運んでいる男子はもう一人いて、その子もジャニーズ風だったのですが、同じことやっているので「彼らには学習能力がないのかな」と疑問に思いました。しかしお寺のメインの客層であるマダムたちは、かわいい男子たちが心がこもってない丁寧な接客をするので感激してました。マダムって何で若いイケメンにはめっぽう弱いのでしょうか。

お茶を飲んでくつろいだ後は、気になっていた庭のサイドにある椿たちを見に行きました。こちらに落ちている方が自然で心をひかれたのです。丸々とした緑の上にのっかっているのがかわいい。

花との距離もこちらの方が近かったので、アップも可能でした。雨に濡れて緑の色が鮮やかです。

なんかキョトンとした感じ。花がいっぱい咲いてます。

シーサーみたいなやつがめっちゃ緑の上に落ちた椿見てる

ちなみにこのアプローチは裏庭に続くもののようでした。奥も気になりますが、残念ながら鑑賞できるのはここまでです。

どう見てもメインの方よりこちらの方が花が咲いている気がするのですが…

がばっと見上げても…

少し見上げても…
ということで、メインの庭を撮った写真はあまりなく、ほとんどがこの裏庭へのアプローチ付近の沙羅双樹ばかりでした。目的はちょっと違ってしまった気はしましたが、かわいい沙羅双樹の花をたっぷり見ることができたので満足です。

干菓子でできた沙羅双樹の花が飾られてました。なんて繊細で美しい…とてもお菓子でできているようには見えませんが、近くにある香取線香っぽい形のやつ*2が、たまに見かける干菓子の形をしているので、これもお菓子なんだなーと思わせてくれます。
沙羅双樹を満喫したあとは、アジサイや蓮の花を鑑賞しに参ります。

*1:いろんなタイプのお寺が1つに集まっているタイプ!

*2:たぶん実は水を表している