イルプルの体験レッスンで衝撃を受けたムースと焼き菓子


イルプルの体験レッスンで、シャルロットポワールを作ってきました。
イルプルとは…
本名イル・プルー・シュル・ラ・セーヌの事です。本格的なフランス料理やお菓子を習おうとする人が、コルドンブルーと比較検討する教室です。自分も以前の先生の教室に出会う前に、一度検討してみましたが、学費が高すぎるのとスケジュールがキツすぎるので、対象から外してました。
しかし以前の先生の基礎クラスのレッスンが一通り終わり、仕事が忙しすぎて出られなかったレッスンを受けないと上級クラスのレッスンが受けられないため、合間にほかの教室にも出てみようと、見つけたのがイルプルの体験レッスンでした。以前探した時は体験レッスンはなかったような気がしたのですが、対象から外すのが早すぎて見つけられなかっただけかも。
体験レッスンを受けても、イルプルに通う気はなかったのですが、「ホールケーキ1つ、レッスン、焼き菓子詰合せで7000円」という破格の金額につられて、とりあえず体験レッスンだけ受けよう!と思い申し込んでみました。「衝撃の3時間半」というキャッチコピーを見ても「ほんとかよ」と突っ込む程度の心持ちで代官山の教室まで行きました。

しかし…。「衝撃の3時間半」は大げさではなかったのであります。一応コルドンブルー出身の先生のレッスンで、フランス菓子の基礎の基礎程度はかじっていたつもりだったのですが、「こんな作り方見たことがない!」とびっくりしてしまうことの連続だったのです。特に衝撃を受けたのは、イタリアンメレンゲを作る時に銅の小鍋でシロップを作り、温度計で119度*1になるまで計る、という作業でした。自分が今まで見たり習ったりしていた家庭用のお菓子作りでは、出てこようもない厳密な手順です。そのほかにも混ぜ方や混ぜる時間が厳密すぎるほど厳密なのと、独特な道具類に圧倒されてしまいました…。
そして何よりも、最後の試食で出てきたケーキたちのウマすぎることと言ったら!シャルロットポワールのムースは、ちょっと洋梨のブランデーの香りがきついのですが、なめらかで舌触りの良すぎるムースに、今まで自分が食べてきたムースって何だったの…と思うくらい衝撃を受けました。小さな2つのケーキ*2も、しっかり濃くて甘い味なのに、一つ一つのパーツが複雑にからみあって、繊細な味わいでした。大味でないお菓子とはこういうものなのか…

悲しいことに自分が作ったシャルロットポワールは、フタの絞りが大きすぎてかなりの不細工でしたが

カットしても、ガルニチュールの洋梨の並びが残念な感じ*3でしたが…ムースのなめらかさや舌触りは、ちゃんと味わえました。これが自分でも作れるプロの味か…!

しかしそれでも、イルプルに通うことにまだ迷っていました。しかし最後のダメ押し、焼き菓子の詰合せです。推定3000円。お好みな水色の箱にブルーのリボンという素敵な組み合わせ。

中はおいしそうな焼き菓子がぎっしり…。あげてしまったものもあるのですが、自分が食べたものはすべてハズレなく、おいしいのレベルを超えてました。特にどこのお店でもありそうなリーフパイは、どうやったらこんな繊細な味にできるんだ!!と暴れたくなるほど香ばしくてさくさくしていて、ちょっぴりほろ苦いキャラメルの風味がして美味でした。どこの店でもだいたい似たような味になるよね、とほざいていたガレット・ブルトンヌも、底にざらめのようなじゃりじゃりした砂糖がまぶされていて、卵とバターの香りたっぷりのさっくり部分とざっくりのハーモニー味わえたりもして。「これらのお菓子を食べれば、もうなにも迷うことはありません。」という謳い文句のままに教室への申し込みをしてしまったんでした。
学費のおかげで引っ越し計画が遠のいたし、立ちっぱなしで7時間のレッスンのおかげで週末が辛すぎるのですが、成果物が成果物なだけに、毎回とっても楽しいのです。今は夏休み中でレッスンは無いのですが、イルプルのケーキを味わってみたい方は、ぜひホームパーティーに呼んでください。もれなく2つのアントルメ*4をお持ち致します*5。食べてもらえれば、この楽しい気持ちはわかると思うのですよ!

*1:本来なら117度なんですが、メレンゲに投入したとき温度が下がるのを計算して?みたいな理由で119度

*2:たぶんサンマルクとスリー

*3:上の先生の見本と比べないで!

*4:シュークリームやサブレの時もありまっせ

*5:作った本人はぼろぼろです