1日目 その4 ミシュラン2つ星、武家屋敷跡野村家のお庭を拝見 金沢2011


武家屋敷跡で一般公開されている野村家です。地味な外観ながら、ミシュランの観光地格付け2つ星、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」誌の日本庭園ランキング3位というワールドワイドな経歴の持ち主です。

門から家の玄関までのアプローチには巨大な石が埋め込まれてます。江戸時代にこんなの運ぶの大変だったろうな…としみじみ思いました。

入場料500円を払って中にあがると、雅な音楽と甲冑がお出迎え…。一瞬中に入ったことを後悔しました。

でもその隣にあった白洲正子な鉢植えで持ち直しました。そして、正子な世界観はここだけでなく、屋敷全体で展開されていることを後ほど知ることになるのであります。

まずは中に入ってすぐの所にある小さな庭のある部屋に入りました。大きな樹木が植えてあります。

しっかりと手入れされた苔むした庭に、早くも2つ星の理由を納得してしまいました。縁側に座ってぼーっと眺めているだけで、どんどん心穏やかになります。

きっちりと整えられてはおらず、野性味も残しながら、1つ1つの樹木は計算された配置で美しいのです…。

その横には渋い掛け軸と、正子なアレンジのお花が飾ってある床の間がありました。

まだまだ見どころがあるので、もうちょっとボーっとしていたかったのですが移動します。廊下の横にも素敵な坪庭が。

ここの主役は白い椿です。苔と椿の相性はばつぐんです。

そしてメインのお庭の横にある部屋にも正子な手向けをしたお花が飾ってありました。こんな小さなつつじがあるんですね。町中にもこのつつじの植え込みがあったので、金沢では一般的な大きさなのでしょうか。

そしてその向こうに見える、メインの庭の広がりの素晴らしさに圧倒されました…!こんな縁側が憧れなのです。

石のあしらいも美しいです…。

すごい高級そうな鯉もおります。

光そそぐ池でゆらゆらしていて気持ちよさそうです。

軒先に反射する池のきらめき。

苔。

秋は紅葉が庭いっぱいに広がりそうです。

この庭の池が素敵なのは、平面ではなく3Dに設計されているところです。

どこを切り取っても美しい光景に、ミシュラン2つ星の価値を思い知りました。

この縁側の横には2階に向かう階段があります。つづいては2階にあがります。