RADWIMPSの「絶対絶命」聴いた:甘酸っぱさからほろ苦さへ

絶体絶命(初回生産限定仕様)
発売日にランチの時間にTUTAYAの前を通りかかったら、「入荷してますよ!」的なポップを見かけたので衝動買いしました。とりあえず初回限定版買っとくか…でも何が違うんだ?と思ったら

ぎゃー
歌詞カードが透明フィルム状に…!見づらい。見づらすぎる。

モニタにこうやって張り付けて見ればいいんですか…?!わかりません。
抽選で、この歌詞カードをのせるライトボックスプレゼント!はがきもらいましたが、ゴミになりそうな予感がしたので応募してません。通常版で十分でした。そしてamazonでも初回限定はまだ売り切れてないようです。Perfumeのせいで初回は買っておかないと!と思うくせがついてたのですが、それはPerfumeだけでよかったようです。

で聴いてみたところ、RADWIMPSを買ったのに、Bumpが1曲入ってました!!なんてお得!!
…と言うのは冗談…でもなくて、以前のアルバムの曲を聴いた時も思ったことあるけど、Wanna be Bump Of Chickenみたいな曲が平気で存在しているのであります。レッチリとか、今回はエミネムみたいな曲もあるけど、それらはあくまでもフレーバー感じる程度なのにBumpになるとガチBumpになるのは何でだろう。これだけ独自の音楽を作りこめているのに、何故なのか不思議です。わかっててやってるのか天然でやってるのか今のところ判別できてません。

全体を通した感想としては、内向的で、シンプルでストレートになったなという印象です。それから、言いたいことがたくさんあって、言葉の積まれ具合がなかなかのものになってます。そういえば今回は英詞の曲がありませんでした。日本語で伝えたいことがたくさんあるのでしょうか。

一番良いなあと思ったのは、NHKのサッカーテーマソングに採用されたらしいこの曲です。代表戦でもこの曲が流れるなんて、感慨深いですね…。
後は「π 」のちょびっとだけひねくれながらも平均値を取ったポップな感じとか、「グラウンドゼロ」のスイートで刹那を感じる疾走感とかがツボでした。「G行為」は好きは置いておいて一番気にさせる曲でした。元ネタはエミネムらしいですが日本語のラップのリズム感が素晴らしすぎるのです。夏は海に行こうとか母の大切さに気付いたとかラップしてるような日本の専業のラッパーの方々と比べても、言葉をのせるリズムセンスがかなり良いというか。歌詞も3〜4人出てくる不思議構造。気になって何度も聴いてしまいました。「学芸会」はASPARAGUSっぽいと思ったのですが、これもBumpファンの方々に言わせると似ている曲があるらしいです。「携帯電話」もしかり。でも、確かにBumpはブレないし硬派でかっこ良いのですが、もうちょっと軟派で毒があってポップなRADの方が自分は好きです。

このアルバムの代表曲になる狭心症は、良い曲だとは思いながらもそんなにぐっときてはいません。でも「僕ときみ」の甘酸っぱい物語から、「僕と世界」のほろ苦い痛みを描くようになったことを感じさせる曲ではあります。
きみとぼくが出会えたことが奇跡で、世界で特別に大切に思える存在に出会えた僕はこの先も君といる限り幸せで、そう思える気持ちが世界も明るくできるということ。
それが幻想で大切な誰かも代替可能と知った時、人は特定の誰かではなくて、世界に向けて歌うようになりますよね。ということを改めて感じさせてくれた次第です。青年が成熟していく過程でもあるのかもしれない。

その流れでいうと

が、入ってないのもわかる気がします。なんか小五の男子がかいたようなキュート歌詞ですよね*1。でも、アルバムに入っている曲のギターもいちいちグッときてましたが、このギターが一番好きなんです。Aメロで全部フレーズ変えて弾いてるのがもう素敵すぎる。完全にギターのための曲。ということで、itunesでコレだけ買ってしまいました。
どうでもいいけど、amazonのレビューに「ボーカルの子が一人で作ったアルバム」と書いてあるのが散見されましたが、歌詞はともかく、曲の雰囲気を決めるのに他のプレーヤーが関わっていないなんてこと、まず無いと思うのですが。特にRADはみんな演奏上手なので、ボーカルの子がだいたいこんな雰囲気で…と決め打ちしてきても、各プレーヤーの手が入って素晴らしい化学反応が起きている可能性が高いと推測されます。違う意味でマジメか。な意見ですいまへん。

*1:文字通りのファーストレイディ♪って言ってるのであながち外れてないのではと思ってる