Day1 その9 バラ園からAce Hotelまで Portland2014

 f:id:bluestar_music:20141218225552j:plain

バラ園にてアメリカのバラの鮮やかさに圧倒された後、少し疲れたのと、チェックイン時間の16:00が近づいてきていたのとで、ホテルに戻ることにしました。しかし元来た、果てしないトレッキングロードを戻る気持ちはさらさらありません。どうしようかと思っていたら、テニスコート沿いの道路にバス停があったので、どの方向に行くか確認してみました。

しかしバス番号と停まるバス停がざっと書いてあったのですが、ワシントンパーク駅に停まるような記述が全く見当たりません。ヘタなバスに乗って住宅街に連れていかれたらコワイので(ハワイにて)反対側のバス停もチェックすべきだなと移動しかけたところで、バスがやってきました。聞いた方が早いと思い、運転手に「ワシントンパーク駅には行きますか?」と聞いてみました。運転手は少し間を置いてから「まあ行くと言えば行くけど、グルっと回ってから行くから時間かかるよ」的な事を言いました。旅行もまだ初日だし、多少時間がかかっても駅に着くならいいや…と思いそのまま乗り込みました。

バスは公園沿いの通りを抜けて住宅街から大きな通りに抜け、15分くらいゆっくりと運転した後に、見たことがある路面電車の駅のバス停に止まりました。乗客のほとんどはそこでぞろぞろと下りて行き、そこで「ここ、ワシントンパーク駅に行く時に通り過ぎたホテルの最寄り駅の隣の駅やないか!」ということに気付きました。慌てて自分も一緒に下りました。窓の外の景色を目に焼き付けられる程度のライト乗り鉄でよかった。

そこはプロビデンス・パークという名前の駅で、バラ園や日本庭園に行くには、ワシントンパーク駅まで行かず、ここからバスに乗って行けばトレッキングせずに済むことがわかりました。ネットで行き方をさまよい探した中では、どこにもそんな記述は見つけられませんでした。誰か教えてよ。バス番号は忘れてしまったので、トレッキングせずに行きたいなと思った方は頑張って自分で調べてみてください。

一緒にバスを下りた乗客たちと、ホテル方面の路面電車を待っていたら、向かい側の地元住民らしき方々が、「そこで待ってても来ないよ!反対方面は向こうの通りだよ!」と叫んで教えてくれました。あ、一緒に下りて来た方々は地元民ではなくて自分と同じ旅行者なんだな、と気付きました。

f:id:bluestar_music:20150111231143j:plain

皆でぞろぞろと、こっちかなーみたいな足取りで、1本向こうの通りに移動してみたところ、言われた通り路面電車の駅がすぐに見つかりました。そうか、ポートランドの街中は、1つのストリートは1つの方向にう向かう電車&車だけにして、一方通行を貫いてるから道路を広く感じられるんだな、ということにも気付けました。しばらくしてから路面電車はやって来て、無事にホテルの最寄り駅であるSW 10th Avenue駅に到着しました。帰りは何の苦労もなかった。

f:id:bluestar_music:20150103220407j:plain

Ace Hotelに到着した時はチェックイン20分前だったので、例のロビーのソファに座って待つことにしました。結局ここに座ったのは、これが最初で最後でした。隣のStumptown Coffeeからカフェオレのカップを持ってやって来る人、Macを操りながら仕事をしているらしき人、自分と同じようにホテルのチェックインを待っているらしき人、それぞれ自由に同じソファに腰掛けてくつろいでました。自分の家の近所に、こんなホテル&カフェがあったら時々来たいなあ…いいな…とうらやましく思いました。

f:id:bluestar_music:20141218225513j:plain
本棚の裏の中2階スペースに上がると、こんな空間となっておりました。こちらもホテルのお客さん、カフェのお客さん、共に自由に出入り可能なようです。この時は誰もいませんでしたが、カフェのお客さんがここで勉強している姿も見かけました。レコードプレイヤーとレコードが置いてあって、自由に聞けるとどこかで読んだ気がするのですが、プレイヤーは見かけませんでした。言えば出てくるのかも?

f:id:bluestar_music:20141218225512j:plain
奥にはこんなソファ席もあります。夜はあやしげなムードでした…。低い天井と壁にすっぽり収まったこの空間が妙に落ち着くので、ここでごろごろしながら本でも読みたいなあと思いました。

f:id:bluestar_music:20150103220738j:plain
16時を過ぎ、無事ブロークンイングリッシュでチェックインも済ませました。部屋は最上階である4階でした。味のあるエレベータにスーツケースごと乗りこむと、こんなガーリーなアートがボタンの上に取り付けてありました。写真だとわかりづらいのですが、刺繍のようでした。細かい。かわいい。そしてメッセージ通り、エレベーターの進みはとても遅いのでありました。ちっちゃく刺繍してあるのは「いやマジで(It's true)」と訳せそうです。

f:id:bluestar_music:20141218225546j:plain
欧米のホテル恒例の「鍵のターンが独特ですっと開かない」問題を、通りすがりの南米系のメイドさん(ガチでメイドルック)に鼻で笑われながら開けてもらうことでやり過ごし、扉を開けたところに広がっていたのがこの光景です。第一印象:せ…せま…い…あ、でもペンドルトンの鹿毛布かわいいー、でした。ベッドが日本のセミダブルより広めなのがうれしかったです。

f:id:bluestar_music:20141218225544j:plain
ベッドの反対側にはイスがぽつんと置いてあり、壁には小さめのテレビがかかってます。テレビはかなり小さく見えますが、ベッドにごろんとなった状態で見ても十分な大きさでした。Ace Hotelには、一部屋ずつ異なるアート作品が組み込まれているはずなのですが、ざっと見渡してもこの部屋には見当たらず、まさかと思ってイスの後ろの木の扉をスライドさせると

f:id:bluestar_music:20141218225543j:plain
こんな鳥アートがお目見えしました。好みじゃないものではなくて良かったです。しかし、やたらに重い木の扉をスライドさせると唯一の窓が閉まってしまい部屋が暗くなるので、暗い状態でしかこの絵を鑑賞できないのが残念なのであります。

f:id:bluestar_music:20141218225549j:plain
ベッドルーム以外のスペースもとにかく狭かったです。部屋の扉を開けてすぐ右手にあるのはクローゼットスペースらしきもの。コートをかけるのもやっとです。手前の布袋はランドリーバッグ、コンパートメントの一番上につっこんだあるのはドライヤー。アメリカっぽい大きくて重いやつ。袋物のデザインかわいいのです。

f:id:bluestar_music:20141218225548j:plain
こちらもアメリカっぽい重そうで大きなアイロンと、ホテルオリジナルのバスローブ。バスローブがスウェット地でかわいい!と思ってごきげんで羽織ってみたのですが、めっちゃ重くて肩が凝りまくりそうでした。でもせっかくだからという貧乏性気質で毎日着用しましたけど。とにかく空間がせまくて写真には入りきりませんでしたが、どでかいアイロン台もありました。

f:id:bluestar_music:20141218225550j:plain
ぎゅうぎゅうのクローゼットスペースの横には、廃材をリサイクルして作ったかのようなデスクが置いてありました。この激渋な雰囲気、かなり好みです。しかし置いてあるスペースが狭すぎて、とても机として活用できませんでした。我が家に持って帰れれば、もっと活用してあげられるのに。

f:id:bluestar_music:20141218225551j:plain
机の上にはこんなものが置いてあります。味のある木箱にはスナックや飲み物が並べてあります。飲み物冷やしてない…と思って部屋を見渡し、この部屋に冷蔵庫などといったものがないことがわかりました。この時点でケーキやヨーグルトを買って帰り翌日食べる、という運用が無理だと気付きました。そういえば部屋の説明には冷蔵庫などと書いておりませんでした。冷蔵庫のことなんて忘れてた。手前のアンティークなスチール製の書類入れには、雑誌やメモ帳、テレビのリモコンがまとめてあります。細部にわたったこだわりオシャレ感がすごくて気持ちが上がります。

f:id:bluestar_music:20141218225547j:plain
書類入れの中のメモ帳やポストカードも隙なくオシャレです。隣にあるレストランのCLYDE COMMMONからルームサービスが頼めるようでした。オムレツやパスタなどがメニューに並んでました。

f:id:bluestar_music:20141218225545j:plain
ベッドの向かって左側には、こじんまりした洗面スペースがありました。タオル類やコップが並べてあります。部屋に棚らしきものはこれしかなく、自分のものが一切おけないことに気付きました…。そして鏡もこれしかありませんでした。結構高い位置にあり、背が高い自分でも利用するのがちょっと辛かったです。ふつうサイズの日本人女子にはかなり辛いと思います…

f:id:bluestar_music:20141218225518j:plain
しかし置いてあるものにはほぼ満足しました。タオルもかわいくて厚手で質がよさそうだし、カーキの帆布で出来たティッシュケースもかわいい。欲しい!そのティッシュケースの横にメッセージらしきものが飾ってあるので覗いてみると…

f:id:bluestar_music:20141218225519j:plain
バターの香りがぷんと漂って、中にはおいしそうなクッキーとチョコレートが詰めこまれておりました…!おおお!とても美味しそうです。ただメッセージに書いてあった「私たちの友達が毎朝きみのために焼きたてを用意してるよ!」というのを読んで、「友達じゃなくてプロに焼いてもらってほしい」と思ってしまったことは否めません。落ちついてからスーパーで買って来たお茶とともに頂きましたが、丸いサブレはバターたっぷりでさくさく、ピスタチオのチョコレートがけは香ばしく甘く、三日月形のココアクッキーには海塩がまぶしてあって甘塩っぱく、どれも美味でした。プロに焼いてもらえとか思って正直すまん、と思いました。

f:id:bluestar_music:20141218225517j:plain
あとは綿棒や耳栓、シャワーキャップ、シャンプー&コンディショナーもここに置いてありました。日本のホテルではあまり見かけないアメニティセットでございます。

f:id:bluestar_music:20141218225516j:plain
洗面所にはソープを置く場所がないので、フックにぶらさがってました。これは狭い部屋で活用できそうなアイデアであります。このソープもポートランド産で、地元職人の手作りのようでした。狭さや鏡などの不満はありますが、部屋の1つ1つの物を眺めているだけでこの満たされ感…Ace Hotelにして良かった!と思いました。まだこの時は、そう思ってました…。
部屋の構成は以上で終わりです。そう、この部屋にはバスルームが無いのです。バスルームは共同だから部屋の料金が2番目に安い(でも$150…)ということで妥協したのです。ブルックリンに泊まった時もそうだったので、なんとか耐えられるだろうと思っていました。

f:id:bluestar_music:20141218225514j:plain
しかし、いざバスルームに行こうとすると、このフクロウアートに見守られながら階段を下り、階段の踊り場にあるバスルーム1、もしくは3階まで下りたすぐのところにあるバスルーム2まで行かなければなりません。バスルームにはトイレとシャワーがあり、どちらも清潔で広々していてタオルもたっぷり置いてあったのですが、シャワーしているときに鍵をがちゃがちゃされたりしたことで落ちついて入れなくなり、1日で根をあげてしまいました。ブルックリンの時は日本人オーナーの宿、かつ宿泊者も日本人でレストルームは部屋のすぐ隣にある、というアドバンテージを忘れてました…。そして翌日の朝、すぐにバスルーム付きの部屋にチェンジしてもらうようお願いすることになるのであります…。

しかしこの時は一通り部屋を眺めて心が満たされて落ちついておりましたので、部屋でしばらく落ち着いた後は、夕飯がてらホテルのまわりをぶらぶらすることにしました。



Day1 その7 バラ園にて Portland2014

日本庭園を堪能した後は、近くにあるというバラ園に行ってみることにしました。しかし辺りを見回しても、それらしき案内板が一切ありません。また森に迷い込むのは嫌だ…と思い、日本庭園の受付まで戻って、座っていたブラックのお姉さんに「バラ園に行きたいのですが、どこにありますか?」と聞いてみました。「バラ園?そっちにある階段を下りるとテニスコートがあるから、テニスコートの奥に入って。奥にバラ園があるから。」と言われました。「テニスコート?」「そう、テニスコートね。」

f:id:bluestar_music:20141218225613j:plain

言われた通りの方角に木々に囲まれた階段があったので、そろそろ下りてみましたが、すぐに視界が開いてまあまあ大きな道路が下界に見えました。そして道路を挟んだ向かいにテニスコートが見えました。あっさりバラ園には行けそうだったのでほっとしました。テニスコートに近づくと、さっそくバラなのか何なのか、鮮やかな色をした花がフェンスにからまっていました。この花の向こうには、スコーン、スコーンとテニスボールを打つ音が響いております。

f:id:bluestar_music:20141218225612j:plain

テニスコートの横を通り過ぎる小道から、小花が咲き乱れていました。小花も原色の鮮やかな色というのがアメリカらしい。

f:id:bluestar_music:20141218225615j:plain

バラ園の看板もすぐに見つかりました。バラ学会の小規模なバラの庭。

f:id:bluestar_music:20141218225617j:plain

全景はこんな風で、階段の上から3方向くらい見渡せばバラ園全部が見通せる感じでした。確かに小規模です…。シーズンではないのでバラには期待していなかったのに、結構咲いていてうれしかったのですが、予想よりはるかにこじんまりとしたバラ園に少しがっかりしました。日本庭園はわざわざ見に来る価値があるなあと思いましたが、正直バラ好きでもわざわざ見に来るほどの規模ではないかもしれません…。日本庭園のついでくらいでちょうどいい。

f:id:bluestar_music:20141218225610j:plain

しかしせっかく来たからにはもっと近くでバラを見なければ、と階段を下りました。もう10月も近いというのに、前を歩いているお姉さんはワイルドな肩出しです。後ろを歩いているJapaneseはニットを着こんでおります。

f:id:bluestar_music:20141218225611j:plain

最初に目に付いた花はバラではなく、なぞの短冊形の花びらを持つこの野花でありました。何だろう、アメリカの花って何かポップで漫画っぽい。

f:id:bluestar_music:20141218225614j:plain

荒々しくバラが咲き乱れた向こうにあるベンチに、マダム腰掛けておりました。かたわらには白い犬がおるのです。映画の1シーンみたい。荒々しくても、絵になるなあ。

f:id:bluestar_music:20141218225616j:plain

地面に映えているバラの花の鮮やかさがたまらないです。迷いのない澄んだ赤い色。原色ばきばきなのがアメリカの花の特徴なのかな。

f:id:bluestar_music:20141218225619j:plain

原色ばっきり、そして花が大ぶり。スタバとかに売っているモンスタークッキーくらいの大きさがありますよ。回りの赤いつぼみが舎弟っぽい雰囲気かもしだしている。

f:id:bluestar_music:20141218225618j:plain

ふと横を見ると、アメリカン女子がバラ園の真ん中でスマホを夢中で操っていました。それがまるでファッション雑誌の1ページのようだったので思わず撮ってしまいました。本当はもっと近くで撮りたかった。こんな鮮やかなターコイズブルーのワンピース(ドレス)、日本人が着こなすのは難しいだろうな。

f:id:bluestar_music:20141218225621j:plain

とてもバラらしいバラを発見。立体感ありすぎる。これはモンスター級ではなくスタバのふつうのクッキーくらいの大きさ。

f:id:bluestar_music:20141218225623j:plain

これはバラというよりは芍薬のよう。優しい雰囲気の花びらつき。しかし色はアメリカンカラー。

f:id:bluestar_music:20141218225622j:plain

これもTheバラというよりはバラに何かの花がかけ合わされているかのよう。背も結構高かったです。立っている自分が少し見上げる高さがあります。

f:id:bluestar_music:20141218225605j:plain

バラの植え込みに転がるシャビーなバケツ。わざとやっているのではないかと思えるほどのオシャレ感…。

f:id:bluestar_music:20141218225607j:plain

バラは芝生の上に区切られて植えられていたり、こんな風に整備された小道を区切って植えられていたりします。花びらが整備された道も彩ってます。

f:id:bluestar_music:20141218225609j:plain

バラ園の端もバラで区切られております。とんがった針葉樹をバックに咲き乱れるバラたち。

f:id:bluestar_music:20141218225608j:plain

低い植え込みがたくさんありますが、背の高いバラたちも結構おります。大きなアメリカンたちも埋もれているように見えるくらい高いのです。

f:id:bluestar_music:20141218225603j:plain

バラ園に入るための下ってきたアプローチの階段。両側にはバラがちゃんと植えられていて、バラでお出迎えしてくれます。

f:id:bluestar_music:20141218225606j:plain

白い花も。これ、バラかな…椿のように見えて、とても好みなタイプです。白もとてもパキっとしたピュアホワイト。

f:id:bluestar_music:20141218225601j:plain

バラしかないと思っていたのですが、大好きなアジサイを見つけました。一番上の青紫のやつは日本でも良く見るのですが、下のほうに咲いているグリーン目のアジサイは咲いているところを全然見かけないので、かなり嬉しかったです。花の詰まり具合もみちみち。

f:id:bluestar_music:20141218225604j:plain

バラというよりはパンジーみたいなちょっと可憐な雰囲気のお花です。ラズベリーキスというネーミングがアメリカっぽいです。

f:id:bluestar_music:20141218225600j:plain

大きな白い犬を連れた家族連れが、バラ園の散策を楽しんでおりました。これも映画のようです…犬の大きさからこのお宅の庭の大きさを想像してしまうのであります。

f:id:bluestar_music:20141218225602j:plain

謎のお花も発見しました。ユリのようなつつじの花のようなものがぶらさがっております。毒入りスープとか作れそう。

f:id:bluestar_music:20141218225558j:plain

小さめのバラが集合して咲く、風な品種のバラも見つけました。写真で撮っているところだけではなくて、他に咲いている箇所も全部これくらい固まって咲いてます。珍しいです。

f:id:bluestar_music:20141218225559j:plain

こちらも集合系です。さっきのラズベリーキスの色違いかなあ。色がとにかく鮮やかできれいなのです。

f:id:bluestar_music:20141218225557j:plain

バラ園で散策を楽しむ人々の年齢層は幅広いのであります。ベビーカーもらくらく散策できる道幅の広さはあります。

f:id:bluestar_music:20141218225555j:plain

お花好きな一般家庭にもありそうなバラのアーチも発見。手前は少しさみしいですが、奥のアーチの繁茂がベストな感じです。

f:id:bluestar_music:20141218225556j:plain

最後の方でまたもやグリーン目なアジサイを発見しました。ああ、これをドライにして部屋に飾りたい…。

f:id:bluestar_music:20141218225553j:plain

バラの花が鑑賞できるゾーンが終わった所で、謎の樹木を発見しました。ほおづきのように見える葉が茂っております。少し紅葉しはじめていて、謎なのですが、とてもきれいでした。

f:id:bluestar_music:20141218225554j:plain

バラ園の隣には、芝生が生い茂った円形劇場のような空間もありました。写真の向かい側にはステージもあるのです。芝生で横になって抱き合うカップル…これもまるで映画のようです。こんなシーン500日のサマーになかったか。日本から来た旅人には、アメリカンたちの日常風景の1つ1つが映画の1シーンのように見え、その非日常感にどきどきしてしまうのでありました。

バラ園はわざわざ見に来るほどのスペシャル感はありませんでしたが、それなりに楽しめました。原色!でかい!華やか!というとてもアメリカらしいわかりやすい特徴があることもわかり、面白かったです。しかしそろそろ歩き疲れたので、座ってゆっくりしたくなりました。

次はワシントンパークを抜け出して、ホテルにチェックインしに行きます。

Day1 その6 日本庭園(in America)にて2 Portland2014

f:id:bluestar_music:20141102000306j:plain

少し鬱蒼としたゾーンに入って来ました。広い山肌を苔が覆っています。こんなにスケールの大きい苔肌は、兼六園でくらいしか見かけなかった気がします。少し薄暗くても、苔の緑で明るい気持ちになれます。

f:id:bluestar_music:20141102000305j:plain

おお!ししおどしもある!と感激しましたが、よく見ると、ただ竹筒から水が出るだけのようでした。確かにカコーンと鳴るには竹が長すぎる。

f:id:bluestar_music:20141102000302j:plain

山を上って行く石段です。もう、ここが日本としか思えない。

f:id:bluestar_music:20141102000304j:plain

池の上にかかった石橋の上で、庭園スタッフとおぼしき方々が池の手入れをしていました。営業中もマメに手入れしないと、この美しさはやっぱり保てないですよね、と心の中でつぶやいて通り過ぎました。

f:id:bluestar_music:20141102000259j:plain

山の石段を上りきって見下げると、眼下に石庭が広がっていました。まさか石庭まであるとは…!

f:id:bluestar_music:20141102000303j:plain

石庭に向かう逸る気持ちを抑え、またまた空を見上げてみました。緑のパッチワークが青い空に映えていて、とてもきれいです。気持ちが晴れます。

f:id:bluestar_music:20141102000301j:plain

石庭のそばまでやってきました。ちゃんと波紋?みたいなやつも描かれている!ポートランドまで来て、大好物の石庭まで見られるとは思いませんでした。

f:id:bluestar_music:20141102000300j:plain

全部で10個くらいの岩が並べられていました。岩に対して庭がちょい広すぎるかなあと思ってしまったりはしました。

f:id:bluestar_music:20141102000255j:plain

石庭からさらに上に上っていくと、街を見下ろせる場所までやってきました。大きな高層ビルも建っていますが、やっぱり山と緑に囲まれている街なんだな、と思いました。

f:id:bluestar_music:20141102000258j:plain

ここには日本風な木造建築も建っていました。縁側?がやたら広くとられているところはやっぱりアメリカ。

f:id:bluestar_music:20141102000257j:plain

縁側から眺めるアメリカ国旗。Japan、Japanした庭園に立っている違和感。

f:id:bluestar_music:20141102000256j:plain

こういう街を見下ろせる場所の風景、日本によくあるよね。と思いました。そしてアメリカでも間違いなくこういう場所はデートスポットなんだなあと感心。

f:id:bluestar_music:20141102000253j:plain

しばらく縁側のベンチでたたずんでいたのですが、建物の正面も見てみることにしました。途中みっちり小石がつまったお庭を発見。

f:id:bluestar_music:20141102000254j:plain

木々が少しだけ紅葉しています。秋が深くなったら、もう一度ここに見に来てみたいです。

f:id:bluestar_music:20141102000250j:plain

正面に回ると、とどめをさすかののように大きな石庭がもう1つありました。でもここは日本を完コピというよりかは、オレゴンの雄大さと日本の庭園がうまい具合にミックスされたような光景です。

f:id:bluestar_music:20141102000252j:plain

ひょうたん型の苔島が石の庭に浮かんでいます。向こうに見えるのは日本よりも少しスケールが大きい木々たち。

f:id:bluestar_music:20141102000251j:plain

柳のようにたれさがった木越しの苔島。

f:id:bluestar_music:20141102000249j:plain

丸いのとひょうたん型の苔島。ひょうたんは見る角度によって形がかわります。おもしろい。この石庭を出たら、入口に戻ってきていました。これにて終了のようです。

入る前はどれほどのものだろう…と高をくくってましたが、思ったよりも完璧な日本庭園だったし、かつ、このスケールの大きな石庭は、決して日本では見られないであろうと思うので、トレッキングさせられながらも、頑張ってやってきて本当によかったなと思いました。京都に行く理由の4割くらいが「庭」であるライト庭マニアの心はじゅうぶん満たされました。

f:id:bluestar_music:20141102000246j:plain

最後にお土産もの屋さんがあったので、ぶらりと立ち寄ってみました。ミニ禅ガーデンほしい。と思ったのですが、飾るところがないので潔くあきらめました。でもこれ日本のお寺でも売ってほしい。

f:id:bluestar_music:20141102000245j:plain

とんでもないものが売られているかも、と多少わくわくしていたのですが、割とまともに日本の雑貨が売られており、少しがっかりしました。折り鶴の箸置きは日本で買おうとしていたやつ。当然日本で買うより高いので、ここでは買わないのですが。

f:id:bluestar_music:20141102000247j:plain

お土産物屋さんの軒先で売られているものは、少しだけおもしろだったかもしれないです。お地蔵さんはハーフっぽい顔立ちだし、灯篭も丸っこくてKawaiiになってる。

f:id:bluestar_music:20141102000248j:plain

これは、提灯をイメージしてる…?デザインは日本ではなくてモロッコ風ではなかろうか…かわいいけど。

f:id:bluestar_music:20141102000244j:plain

お土産もの屋も楽しんだので、外に出ました。出たところに貼ってあったポスターが素敵すぎたので、きれいには撮れないだろうとわかりつつも思わず撮ってしまいました。SEPTEMBERのぽっかり月が浮かんでいる写真は、胸にくるものがあります。紅葉と落ち葉の写真にもぐっときましたが。

次は、せっかくここまでやってきたので、近くにあるはずのバラ園でバラ鑑賞をします。

Day1 その5 日本庭園(in America)にて1 Portland2014

森の中で見つけたJapanese Gardenの標識の方向に下ると、すぐに道路が開けて、大型のバスも止まれるような広い駐車場と日本庭園の入り口が見えました。さっそく入り口で入場料$10くらい(ちょっと高い)を支払って、中に入りました。目の前に広がる思っているよりもだいぶ完コピな日本庭園な光景に、少しびっくりしました。

f:id:bluestar_music:20141102000323j:plain

ちょっとしたコーナーも、苔むす岩に可憐な小花と竹の組み合わせ、というこのJapanぶり。オレゴンの森の中をさまよい歩いたことも忘れ、いつもの日本庭園散策気分で歩きはじめました。しかし見渡す限り異国の方*1しかいない、というのが若干の違和感です。

f:id:bluestar_music:20141102000322j:plain

入ってすぐのところに灯篭がそびえていました。バックの松の木?のスケールに、オレゴン感(雄大)を感じつつも、日本庭園のわびさびは十分堪能できているのであります。

f:id:bluestar_music:20141102000320j:plain

近くに寄ってみました。この苔むしている感じがたまらないし、灯篭のエセ感もありません。手入れもされていて美しいです。

f:id:bluestar_music:20141102000321j:plain

でも見上げる樹木のでかさ…ここはアメリカを感じずにはおれません。ひたすら背が高い。バランスが悪いくらい高い。

f:id:bluestar_music:20141102000318j:plain

少し歩いたら、さっそく池が現れました。1つの1つの植栽がきちんと整えられていて、池に映りこむ様も、とてもきれいです。アメリカの「まあこれくらいでいいよね」的なざっくりした気配はまるで感じません。

f:id:bluestar_music:20141102000315j:plain

ほんのちょっとした石畳もありました。もうここが日本としか思えない。

f:id:bluestar_music:20141102000316j:plain

池のそばには謎の鶴の造り物もありました。銅像とかではなかったと思う。足が竹のように見えるし。

f:id:bluestar_music:20141102000317j:plain

山肌はこんな風です。植え込みや苔のバランスが計算尽くされています。これはどう見ても細かいところまで細かいJapanese仕事です。Americanだったら「ここまでやる必要ってある?」とか言いだしそう、などと思ってしまいます。偏見です。

f:id:bluestar_music:20141102000312j:plain

木立の下を流れる池にかかった橋です。橋のフォルムは日本のものですが、やっぱりスケールでかいなって思います。日本だったら、もうちょっとちんまり作っているような気がする。

f:id:bluestar_music:20141102000313j:plain

f:id:bluestar_music:20141102000314j:plain

少し見上げたところ。緑がぎっしり。これが紅葉したりするのかも、と思うとわくわくします。

f:id:bluestar_music:20141102000311j:plain

6月には菖蒲が咲きそうな、池の上の遊歩道です。池の中には鯉も泳いでます。この本当によくある日本的な庭園風景の中で、異国の人々しか遊歩していないということにやっぱりびっくりしてしまいます。絶対に日本のマダムやムッシューがのんびり鯉でも眺めているに違いないのに。

f:id:bluestar_music:20141102000310j:plain

 鯉も模様がきれいに出ているのが多く、高そう…いや美しいです。ぷっくりいい感じに育っています。

f:id:bluestar_music:20141102000309j:plain

池の向こうには滝も流れています。こんなの兼六園で見なかったか。手前に岩とか灯篭とかがオモチャっぽいといえばオモチャっぽい。

f:id:bluestar_music:20141102000308j:plain

滝の遠景です。完コピだけど、隠せないオレゴン感(雄大)。

f:id:bluestar_music:20141102000307j:plain

そして、こういう芝生も出てきちゃうのが隠せないアメリカン感。みんな滝をバックに記念撮影しておるところです。

まだまだ見どころがあるので、2に続きます。

*1:向こう にとっては貴様が異国だよ!というつっこみは不要です

Day1 その4 ワシントンパークからワシントンパークまで Portland2014

バラ園と日本庭園はワシントンパークの中にあったので、とりあえずストリートカー(路面電車)の駅にあった「Washington Park」まで行ってみることにしました。いまいち地図などを見ても場所がはっきりしていなかったのですが、公園まで行ったら詳しい地図があるだろうと思ったのです。10分くらい電車に揺られ、ワシントンパーク駅に到着しました。駅は地下にあったので、自転車をかついだ、いかにも公園をエンジョイしに来たような他の乗客にくっついて行って地上まで上がりました。外に出るとすぐ目の前に公園が広がっていました。辺りを見回して公園の地図が書かれた看板を見つけて、現在地と庭園とバラ園の位置を確認しました。が…地図はすごーーくざっくりしていて、歩道などが一切書かれておりません。わかるのは庭園とバラ園がある方向くらいでした…。

f:id:bluestar_music:20141022230852j:plain

仕方なくその方向に伸びていると思われる道路沿いを歩きはじめました。しかしこの急こう配の坂道に、早くもやる気を失いました。さすがにこの道路は地図には出ていましたが、この道路沿いをずっと歩いてしまうと、とてつもない場所に投げ出されてしまうことは確認していたので、程よく歩いたところで公園に突入しました。

f:id:bluestar_music:20141022230850j:plain

公園の中は背の高い木々と広大な芝生が広がっており、アメリカのスケールの大きさを存分に感じられました。日本の市民の森レベルを想像していると、圧倒されるくらいの雄大さです。歩きながら、ぽつりぽつりと、芝生の上で読書をしたりくつろいだりボール投げをしてる人を見かけました。

f:id:bluestar_music:20141022230851j:plain

しかしわりとあてもなく歩いているため、この道順でいいんだろうかとすぐ不安になります。特にこんな風に少しまわりが薄暗くなってくるとです。薄暗さの中にほんのり赤い実が彩りを加えてくれていると、少しはほっとします。

f:id:bluestar_music:20141022230849j:plain

そして、明るい場所に出られたと思ったらまた急な階段…。手掛かりになりそうな看板も地図も何もなくて、こんなに気持ちの良い天気なのに全く気持ちは落ちつけません。しぶしぶ階段を上がり、息を切らせながらまわりを見回して、やっと道路沿いに「Visitor Center」と書かれた標識を見つけました。目指してた方向とは少しずれそうですが、ビジターセンターに行ってバラ園と日本庭園までの道順が細かく描かれた地図をてにいれようと決め、標識の方向に歩きだしました。

f:id:bluestar_music:20141022230848j:plain

しかしビジターセンターまでならきっと舗装された道のりだろうと思ったら甘かったのであります。またもや鬱蒼とした森に迷い込みました。たとえ明るくても異国でこんな道を一人で歩きたくないよ…と半泣きしながら標識の指示した方向へひたすら歩きました。途中で草花の研究でもしているような大学生っぽいグループが道端の草をひっこぬいて、何やら議論していたので彼らの声が離れないうちにたどり着いてくれ、と心底願いました。

f:id:bluestar_music:20141022230847j:plain

ようやく道が開けたところで頭上にピンク色の花が咲き乱れていました。これを撮っているときに、眼下にビジターセンターらしき建物があることに気付いて、急いで駆け下りました。

ビジターセンターには小さな駐車場とトイレ、案内所がありました。受付にはビジターらしきマダムとお喋りしているマダムと、ブロンドのポニーテールにジャージを着用した、スポーツが大好きで元気そうな女子が座っていました。空いている女子の方に「日本庭園に行きたいんだけど…」と声をかけたら、「道順?」とすかさず聞いてくれたので、無駄なブロークンイングリッシュを披露せずに済みました。もしかしたら自分と同じようにさまよう人が多くて慣れているのかもしれない。

f:id:bluestar_music:20141102005750j:plain

ポニーテール女子はわたくしめが期待した、もっと細かく道順が書かれた公園の地図を取り出し、ボールペンで今いる位置と道順を指し示してくれました。「今はここにいるの。Visitor Centerね(ぐるぐる)。ここを出ると前にOak Trailがあるから(ぐるぐる)、ここをWildwood Trailと(ぐるぐる)交わるところまで(ぐるっ)歩いて行くの。交わるところに標識があるから、それを目安にするの。交わったらすぐにその前の道を下るのよ(グイッと→)。これが近道だからね!その後はこのブルーの道をずっと歩いて行けばいいのよ。」そう言ってこの地図をわたくしの方向に向け「わかった?」と確認しました。日本庭園とバラ園がこの地図内に描かれておらず、ブルーの道の下の方に「to Japanese Garden▽」と方向を示されているだけであることが若干気がかりでしたが、これで間違いなくたどりつくだろうと思って「あいしー」と答えました。ポニーテール女子は頷き、「標識がどういうものか教えてあげるから、着いてきて」と建物を出て、森の中に入り先導してくれました。少し歩いたら「Oak Trail」と書かれた標識が立っており、「これのWildwood Trail版があるから、その標識を見つけたら下ってね!」と説明してくれました。わざわざ森の中に入って説明してくれることに感激し、深くお礼を言って再び森の中に入りました。

f:id:bluestar_music:20141022230846j:plain

しかし今回のTrailは、ビジターセンターにたどり着くまで歩いた道よりもさらに薄暗く道はせまく、地図がなかったら不安で叫びたい気持ちで胸がいっぱいになってしまったであろうと思われました。教えてくれた通りWildwood Trailの標識は5分くらい歩いてすぐに見つかりましたが、Wildwood Trailに入ってから異様に道が長いのです…。時折トレッキングに訪れたと思われる人たちとすれ違いましたが、皆デイパックにしゃりしゃりした本気のトレッキングウェアを身にまとっており、街歩きのかっこうそのままの、軟弱そうなニットウェアに重そうな革のかばんを肩にかけてずるずる歩いているのは自分だけでした。。違うの!日本庭園に行きたいだけなのに、なぜかトレッキングしちゃってるの!!とすれ違う度に心で叫びました。異国に来て初日からこんな薄暗い山道を一人で歩いて何やってるんだ?とつくづく思いました。

f:id:bluestar_music:20141022230844j:plain

 歩くこと25分で、ようやく日本庭園とバラ園の標識に出会えました…。長かった…。この標識を見つけた時は「うおおお」と思わず声に出して叫びました。するとここまで10分くらい誰もいなかったくせに、中学生くらいのAmericanの男子がすぐ横の道を歩いており、とても怪訝な目で見られました。

次は心も体も疲れ切ってとても庭園を楽しむテンションではありませんでしたが、せっかくやってきたのでやっぱり中に入って庭園を堪能します。