Day1 その4 ワシントンパークからワシントンパークまで Portland2014

バラ園と日本庭園はワシントンパークの中にあったので、とりあえずストリートカー(路面電車)の駅にあった「Washington Park」まで行ってみることにしました。いまいち地図などを見ても場所がはっきりしていなかったのですが、公園まで行ったら詳しい地図があるだろうと思ったのです。10分くらい電車に揺られ、ワシントンパーク駅に到着しました。駅は地下にあったので、自転車をかついだ、いかにも公園をエンジョイしに来たような他の乗客にくっついて行って地上まで上がりました。外に出るとすぐ目の前に公園が広がっていました。辺りを見回して公園の地図が書かれた看板を見つけて、現在地と庭園とバラ園の位置を確認しました。が…地図はすごーーくざっくりしていて、歩道などが一切書かれておりません。わかるのは庭園とバラ園がある方向くらいでした…。

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仕方なくその方向に伸びていると思われる道路沿いを歩きはじめました。しかしこの急こう配の坂道に、早くもやる気を失いました。さすがにこの道路は地図には出ていましたが、この道路沿いをずっと歩いてしまうと、とてつもない場所に投げ出されてしまうことは確認していたので、程よく歩いたところで公園に突入しました。

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公園の中は背の高い木々と広大な芝生が広がっており、アメリカのスケールの大きさを存分に感じられました。日本の市民の森レベルを想像していると、圧倒されるくらいの雄大さです。歩きながら、ぽつりぽつりと、芝生の上で読書をしたりくつろいだりボール投げをしてる人を見かけました。

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しかしわりとあてもなく歩いているため、この道順でいいんだろうかとすぐ不安になります。特にこんな風に少しまわりが薄暗くなってくるとです。薄暗さの中にほんのり赤い実が彩りを加えてくれていると、少しはほっとします。

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そして、明るい場所に出られたと思ったらまた急な階段…。手掛かりになりそうな看板も地図も何もなくて、こんなに気持ちの良い天気なのに全く気持ちは落ちつけません。しぶしぶ階段を上がり、息を切らせながらまわりを見回して、やっと道路沿いに「Visitor Center」と書かれた標識を見つけました。目指してた方向とは少しずれそうですが、ビジターセンターに行ってバラ園と日本庭園までの道順が細かく描かれた地図をてにいれようと決め、標識の方向に歩きだしました。

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しかしビジターセンターまでならきっと舗装された道のりだろうと思ったら甘かったのであります。またもや鬱蒼とした森に迷い込みました。たとえ明るくても異国でこんな道を一人で歩きたくないよ…と半泣きしながら標識の指示した方向へひたすら歩きました。途中で草花の研究でもしているような大学生っぽいグループが道端の草をひっこぬいて、何やら議論していたので彼らの声が離れないうちにたどり着いてくれ、と心底願いました。

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ようやく道が開けたところで頭上にピンク色の花が咲き乱れていました。これを撮っているときに、眼下にビジターセンターらしき建物があることに気付いて、急いで駆け下りました。

ビジターセンターには小さな駐車場とトイレ、案内所がありました。受付にはビジターらしきマダムとお喋りしているマダムと、ブロンドのポニーテールにジャージを着用した、スポーツが大好きで元気そうな女子が座っていました。空いている女子の方に「日本庭園に行きたいんだけど…」と声をかけたら、「道順?」とすかさず聞いてくれたので、無駄なブロークンイングリッシュを披露せずに済みました。もしかしたら自分と同じようにさまよう人が多くて慣れているのかもしれない。

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ポニーテール女子はわたくしめが期待した、もっと細かく道順が書かれた公園の地図を取り出し、ボールペンで今いる位置と道順を指し示してくれました。「今はここにいるの。Visitor Centerね(ぐるぐる)。ここを出ると前にOak Trailがあるから(ぐるぐる)、ここをWildwood Trailと(ぐるぐる)交わるところまで(ぐるっ)歩いて行くの。交わるところに標識があるから、それを目安にするの。交わったらすぐにその前の道を下るのよ(グイッと→)。これが近道だからね!その後はこのブルーの道をずっと歩いて行けばいいのよ。」そう言ってこの地図をわたくしの方向に向け「わかった?」と確認しました。日本庭園とバラ園がこの地図内に描かれておらず、ブルーの道の下の方に「to Japanese Garden▽」と方向を示されているだけであることが若干気がかりでしたが、これで間違いなくたどりつくだろうと思って「あいしー」と答えました。ポニーテール女子は頷き、「標識がどういうものか教えてあげるから、着いてきて」と建物を出て、森の中に入り先導してくれました。少し歩いたら「Oak Trail」と書かれた標識が立っており、「これのWildwood Trail版があるから、その標識を見つけたら下ってね!」と説明してくれました。わざわざ森の中に入って説明してくれることに感激し、深くお礼を言って再び森の中に入りました。

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しかし今回のTrailは、ビジターセンターにたどり着くまで歩いた道よりもさらに薄暗く道はせまく、地図がなかったら不安で叫びたい気持ちで胸がいっぱいになってしまったであろうと思われました。教えてくれた通りWildwood Trailの標識は5分くらい歩いてすぐに見つかりましたが、Wildwood Trailに入ってから異様に道が長いのです…。時折トレッキングに訪れたと思われる人たちとすれ違いましたが、皆デイパックにしゃりしゃりした本気のトレッキングウェアを身にまとっており、街歩きのかっこうそのままの、軟弱そうなニットウェアに重そうな革のかばんを肩にかけてずるずる歩いているのは自分だけでした。。違うの!日本庭園に行きたいだけなのに、なぜかトレッキングしちゃってるの!!とすれ違う度に心で叫びました。異国に来て初日からこんな薄暗い山道を一人で歩いて何やってるんだ?とつくづく思いました。

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 歩くこと25分で、ようやく日本庭園とバラ園の標識に出会えました…。長かった…。この標識を見つけた時は「うおおお」と思わず声に出して叫びました。するとここまで10分くらい誰もいなかったくせに、中学生くらいのAmericanの男子がすぐ横の道を歩いており、とても怪訝な目で見られました。

次は心も体も疲れ切ってとても庭園を楽しむテンションではありませんでしたが、せっかくやってきたのでやっぱり中に入って庭園を堪能します。