3日目 その7 椿堂茶舗でもあじさい鑑賞 京都2013


お茶をするお店は既に決めておりました。というか、駅周辺にはコーヒーショップのチェーン店も何もなかったので、この辺りでお茶をするならこのお店しかないのです。駅から藤森神社に行く道沿いにあった、椿堂茶舗という創業130年の老舗のお茶屋さんです。まあ京都なら老舗の中でも中堅くらいか…。のんびりとした住宅街に突如として現れる風格のあるお店に、着物が素敵な通りすがりマダムたちも心ひかれているようです。

お店に入ろうとすると、こんなアプローチがお出迎えしてくれます。入ってすぐ右の引き戸を引くとお茶の並んだショップに入れます。奥の暖簾の向こうに茶房があるのです。お茶も購入したいですが、ここはまず茶房の方へ入ります。

暖簾を大将やってる?な感じでくぐると、いきなり落ちついた照明と素敵インテリアに囲まれたので、一瞬にして優雅でゆったりとした気分になってしまいました。茶房の中は一人のお客さんが静かにお茶をしているだけだったのですが、すぐにお店の方がやってきて、好きな席にどうぞ、と案内してくれました。

窓の外も丁寧に整えられた中庭があり、窓際のソファ席に陣取ることに決めました。落ちついた明りと自然光のどちらも味わえて、心の中はますます穏やかで良い感じです。

注文を待つ間にちょっとトイレに行ってみたのですが、トイレの素敵さにもビックリしました。床が石畳…!洗面台は写せませんでしたが、アンティーク調でこの空間の雰囲気にぴったり合ってました。飾られていたお花も大人っぽくて素敵なのです。良いお店はだいたいトイレもすごくきれいなものであります。

しばらく最後はどこのお店に行こうか悩んでいたら、注文したあじさいセットがやってきました。本当は上生菓子のお茶セットを頂こうかと思ったのですが、季節限定という文字にひかれてこちらにしてしまいました。冷茶とみつまめ風寒天のセットです。

冷茶は苦みとか渋味とかが全くないのど越しなのに、お茶の青々した香りと味わはきちんと感じられて、さすが老舗のお茶さんが正しい方法で淹れたお茶は違うなー、と感動しました。でもがぶがぶ飲むには全く向いてない上品な味なので、しずしず飲んでいたら、だいぶ飲みきるのに時間がかかりました。グラスも夏っぽくて素敵です。

寒天は大好物なあじさいカラーに色づけられていて、とてもかわいいです。食べるよりもずっと眺めていたい気持ちにかられましたが、もちろん食べました。すぐに。もちもちの白玉団子と、塩味のきいた小豆が添えられていますが、全体的にさっぱりとした味で冷茶とおいしく頂けました。
茶房は時々お客さんが現れましたが、満席になることはありませんでした。乗るつもりだったバスの時間まで1時間弱も居座れるかなーとちょっと心配でしたが、店員さんはお客さんが来た時とお茶を持ってくるときしか来ないので、店員さんの目も気にせずゆっくり過ごすことができました。

店員さんがいないので、お会計はお店の方で行うようでした。ついでにお茶を幾つか買いました。冷茶が美味しかったので自分用に水出しのパックと、お土産の紅茶やお茶も幾つか買いました。京都でも紅茶が取れるなんでびっくりして思わずお土産に。紅茶はお土産なので味はわかりませんが、水出しパックは指定時間の1時間だけ入れておくとお店で飲んだものと近い、上品な味が再現できました。が、うっかり忘れて長時間つけこむと、ちょっとエグさが出てしまいます。でもエグさが若干あった方ががぶがぶ飲めたりするので、忘れてもまあこれはこれで、と思えましたです。

お茶を買って藤森神社の前にあるバス停まで戻ると、10分ほどでバスがやってきました。歩いて5分のところにお京阪の駅があるので、地元の人でもあまり乗らないのでは…と思わせる路線であります。やってきたバスは普通のバスでなく、小さなマイクロバスだったので少し衝撃を受けました。ふつうのバスが少し短くコンパクトになっているので、なんだか不思議な気持ちで揺られてました。これで地下鉄の竹田駅まで行き、京都の中心街に戻るのです。もちろんお京阪を使えばすぐに戻れるのですが、2日乗車券を無駄なく使うためのマニアルートでありますよ。でもこういうのちょっと楽しい。やっぱりライト乗り鉄なので。
中心街まで戻った後は、夜の新幹線の時間まで、行きたいお店を駆け巡ります。