2日目 その7 続・雨降りの桂離宮散歩 京都2013


2つ目の茶室である賞花亭のおだいどこです。竹で組んだ床の下を水が流れて行く感じでした。外の緑を眺めながら、水仕事ができるような位置に窓が配置してあります。なんとなく現代の台所と通じるものを感じました。でも写真で全景を撮れなかったのですが、本当に簡素なおだいどこで、こんなところで火とか使えたのか?と若干疑いました。

賞花亭の前に植わっていた緑の葉の上に、しずくが落ちてきらきら光ってとてもきれいでした。何の葉なのか名前わからず。

賞花亭の前はちょっと茂ってますが、やっぱり池が見えて抜けが良い景色でございます。

続いての建物に行くには、見た目は両脇に苔が植えられていて美しいのですが、手すりも何もない、すべったらこわい木の橋を渡ります。

園林堂と名前がかかっています。おんりんどうと読むらしい。ここはお茶室じゃなくて、遺骨を納める場所だったらしいです。今は建物が残っているだけなのだとか。雨降りの日に写真を撮るには暗すぎた。

再びアーチの木の橋を渡り、向かいの島までやってきて、園林堂のある島を振り向いて撮ってみました。島の形がすごくきれいない円形であります。

続いての建物はふたたび茶室です。笑意軒という名前でした。こちらは他の茶室の高貴な雰囲気に比べると、少し庶民的な雰囲気です。

窓の向こうに見える木々のさらに向こうには、水田のような風景が広がっていました。ふすまの取っ手は矢をイメージしてデザインされているようです。The日本建築みたいな感じなのに、細かいところで遊び心もあるんだなあと感心しました。

いよいよメインの建物までやってきました。新御殿と中書院です。手前で宮内庁の職員さんがアツく建物について説明してくれています。彼がちょいちょい出してくる異国の方いじり*1は手慣れたものでありました。で、中には入れないんだろうな…入りたいな…と念を送っていたのですが、やっぱり入れませんでした…。

違う角度から見たところです。昔先生が「住みやすい家というのは、どの部屋からでも回れる平面で、代表的なのは桂離宮桂離宮の平面図は本当に美しいです」と語っていたので、ぜひともその空間を体験したかったのですが、美しい立面だけでも鑑賞できてよかったです。

歩きながら焦って取ったのでナナメってしまいましたが月見台です。何百年前に、ここに貴族たちが並んでお茶を飲みながら、月を眺めていたそうです。

月見台の方向を見ると、こんな風景です。何もないとシンプルすぎる風景ですが、この池の上にぽっかりと月が浮かぶのであれば、ベストなバランスと思われます。

少し斜め前方だとこんな光景。ここに月だとちょっとクドいかなーと思いました。やっぱり計算されつくされているのかも。

ちょっと野山な雰囲気の小道もありました。でも1つ1つ、本当に丁寧に手入れされていて高貴なムードです。

最後の建物である月波楼までやってきました。ここも確かお茶室です。ちょっと縁側っぽいものがあります。

少し池にせりだしているので、池に浮かんでいる雰囲気を味わえます。向こうに見えるのは、1つ目の茶室である松琴亭です。雨ふりでも、この建物から見るといい感じだなーと思えました。

中はこんな風な舟底天井と、ガーリーな壁紙が貼ってあります。雰囲気にもあっているしすごくかわいい。唐長のやつとかなのかなあと思います。

月波楼の先には、住吉の松という低い松が植えられています。池の眺めを遮って、訪問者からすぐ見えないようにするものだそうです。道順的にはもういろいろと目撃してしまっていますが…。

ということで、これにて桂離宮散歩は終了なのであります。所要時間1時間。最後の方はかなり強い雨に降られて厳しかったですが、隅から隅まで神経の行き届いた美しい庭を散策できて癒されました。本当に撮りどころがたくさんある美しい建物と庭です。また違う季節に来たいなー。

出口の壁垣の屋根が苔むしていたので、アップで撮っておきました。なんてきれいで鮮やかな緑…!

枯れ葉とか落ちてるのもいいよねー、と何枚も撮りました。自分以外にはおそらく価値のなさそうな写真であります…。
桂離宮は満喫しましたが、すっかり体力を使い果たしてしまったので、観光とか散歩はもう終了して、次はもう夜ごはんです。

*1:ゲ・ン・キデスカーって言うだけなんだけど…