2日目 その4 おいしい全粒粉のパンと野菊のお菓子と本にまつわるあれこれなお店に 京都2013


下鴨神社を通り抜けて大きな道路に戻ろうと歩いていると、すぐに下鴨デリが目に入りました。下鴨神社の麓という言葉がぴったりなロケーションにあります*1。本当はこちらのお店でランチとかしたかったのですが、時間が合わなかったのであきらめました。まだ午前の早い時間なので、お店も開いてませんでした。思ったよりこじんまりとしたお店でしたが、逆にそれが落ち着きそうな雰囲気でした。

下鴨デリの2軒先にあるナカガワ小麦店は営業していたのでほっとしました。こちらは有機小麦を石臼で自家製粉した全粒粉のパンが売りのお店で、全粒粉好きとしてはどうしてもハズせなかったのです。ナチュラルだけどレンガで少しだけ重々しい外観が、ずっしりした全粒粉のパンを思わせて期待に胸が膨らみました。

中に入ると数はそれほど多くありませんでしたが、期待通りハード系のパンがずらりと並んだ茶色いラインナップでした。カラフルなデニッシュなどはありません。硬派な茶色。お店の中全粒粉の香ばしい香りに包まれていました。本当はガチなハード系パンを買いたかったのですが、トースターもないし、半分にしても全部食べられる気がしません。迷っていたらクロワッサンも自家製全粒粉を使っていると書いてあった(気がする)のを見つけたので、クロワッサンに決めました。小ぶりのせいか値段も高くなく、確か160円くらいです。お店の雰囲気にマッチした、ゴールドのロゴが入った紫の袋に入れてくれました。オシャレ。しかし次の日食べてトースターで焼き直しもできないという悪条件のせいか、ぱりっと感はまったくなく、ふにゃりとしてしまってました。全粒粉の押しはあまり強くなかったので、ふつうにおいしいクロワッサンとして食べられると思います。バターの香りいっぱいで味はとてもおいしかったです。

もう1つ最近気になっているシナモンロールも買ってみました。これも小ぶりだったのですが、120円とか150円とか良心的な値段だった気がします。これは見た目の素朴さに反してかなーりおいしくて、最近食べたシナモンロールの中では一番のヒット作でした。全粒粉の香ばしさとシナモンの香りがこんなに合うなんて…!中からとろりと出てくるフロスティングの絶妙な甘さもパンの味と最高のバランスで感激しました。よくあるぱさぱさのシナモンロールとは同じパンの名前をつけられているとは思えないほどしっとりしています。忘れられない味でございました。
次はさらにバスで北上したところにある、コレットという女の子がやっている焼き菓子のお店に行こうと思いお店の営業時間と定休日をチェックしました。お店は金、土、日しかやっていませんでしたが、運よく今日は金曜日。行ける。しかしオープンは12時となっていました。現在午前10時半。2時間この周辺で時間をつぶすのはキツイなあ…。と思いあきらめました。

代わりにバスでやってきたのは、いつもの恵文社でございます。一乗寺が好きと言う理由の中に、確実にこの本屋さんは入っているのであります。京都に住んでたら、予定のない週末はしょっちゅうこの本屋さんに訪れて面白そうな本を探すのであろうと思います。しかしこの日は午後から決まった予定が入っており、ゆっくり見て回ることができず、読みたい本は見つけられませんでした。

恵文社に来たら本の他に、作家が展示をしているギャラリーを見るのもとても楽しみだったのですが、今回行ったら封鎖されてました。えー、なくなった?と思って貼り紙を読むと、隣に移転したと書いてあります。外に出てみると、真新しい外観のギャラリーが増設されておりました。スペースもかなり広く明るい空間になってました。でも以前の薄暗い屋根裏部屋で、宝探しのできるような雰囲気も好きだったんですが。

こちらもちょっぴり駆け足で店内を見て回ったのですが、naniIROの布に一目ぼれして買ってしまいました。正直、東京の他のお店にも売ってるだろうよ…って思ったのですが、この微妙なブルーグレーに心を掴まれて、即買いしてしまいたくなったのであります。

布幅も確認して、我が家のクローゼットのカーテンサイズとほぼ同じ幅(微妙にせまい)だったのでやっぱり即買い。予想通りほぼぴったりでした。秋の雰囲気が出てきました。

それからあまり他のお店では見かけない、かわいいマスキングテープが並んでいたので手に入れました。ミナ・ペルフェノンのやつもたくさんあり、心ひかれたのですが、ありそうでない色合いの、細いテープがかわいかったので、お土産もかねてこちらを買いました。

恵文社を出て移動のためにバス停に向かっている途中で、こんなかわいいお店を見つけました。この色合いが最高に好みです…。中は美容院のようでしたが、こんなお店であまいもの売りたいなーと妄想できました。

大通りに出て、バスで京都方面に向かい、百万偏で下りてもう1軒行きたかったお店に寄りました。かぎや政秋という、創業94年の老舗の和菓子屋さんです。まあ京都では若手とか言われるのかもわかりませんが…。渋めで重厚な雰囲気のお店だったですが、店員さんがとても感じ良くて、何を買おうか悩んでいたら、「よかったら試食いかがですか」と試食のお菓子をすすめてくれました。30代くらいの女性だったのですが、私服だったし、お菓子の説明にとても愛情がこもっていたので、おそらくお店のオーナーの娘さんとかお嫁さんとかそんな感じの方なのだろうと思います。試食の上、賞味期限も合わせて検討して2つのお菓子を買いました。1つ目はお店のスペシャリテであるときわ木というお菓子です。

こんな風な平らであんを伸ばしたような薄い小さなお菓子が、3つ1セットにパッケージされてます。見た目が地味なのであまり眼中に入っていなかったのですが、試食したらあんの甘さとか焼いた香ばしいさとかがぎゅっとつまっている濃い味のお菓子でとてもおいしかったのです。この大きさと薄さなのが納得できてしまいました。

箱を開けたら松の葉?みたいなものが入ってました。なんというセンス…!見た目の地味さを補うラッピングです。賞味期限も15日あるし、箱も小ぶりで持ち運びしやすいので、こういうセンスに胸をときめかせてくれる人のお土産にするのにぴったりだと思います。

もう1つは野菊というお菓子です。このお店に来ようと思ったのはこのお菓子を生で見たかったからでした。食べたかった。ではなく見たかった…です。一応味見もしましたが、もう買うことは決めていたので速攻買いました。包み紙もすごくかわいいです。でもトンボとかいるけど…。

箱を開けると中にこんな風に野菊を模したお干菓子が並んでおります。葉っぱの干菓子が少しだけ入っているのがこれまたオシャレ…!干菓子もだたの干菓子ではなく、和三盆ベースにアーモンドが練りこまれているという珍しいものなのです。アーモンドが香ばしくて、ふつうのお干菓子よりも気軽に食べやすいお菓子になってました。
お土産やパンを買いこんだ後は、この旅行で唯一決まった時間の予定をこなしに行くために、京都駅に向かいまする。

*1:カフェから下鴨神社は見えないかもしれない