1日目 その7 一乗寺中谷で絶妙な豆乳プリンを 京都・奈良2011

次なる目的は一乗寺です。バスであれば四条烏丸から5番バス1本で行けますが、いつ来るかわからない5番バスには乗りたくありませんでした。他に一乗寺を通っているバスは地下鉄の北大路駅を循環している北8番がありますが、これも本数が少なそうだったので、どうしよう…と悩んだあげく、出町柳までバスに行って、叡電一乗寺まで行くことにしました。

出町柳駅前のバス停で下りると、暮れてゆく鴨川が視界いっぱいに広がりました。少し風は冷たいけれど、やっぱり京都はええわーええどすわー、とうっとりしながらこの写真を撮っていたら、男子に「あのう…一緒に散歩をしませんか」と声をかけられました。さすが京都…川沿いを散歩なんてナンパも雅ですね…と思いましたが、叡電出町柳駅に渡る信号が青になったのが目に入ったので、手を横に振ってダッシュで駅まで走りました。

駅に入ってホームいっぱいに人がぎゅうぎゅうに並んでいるので、あじさいの時期の江ノ電かとびっくりしました。いつもはこんなに混んでるイメージなかったのですが…。しかしやってきた電車とそばに置いてあったチラシを見て納得しました。この貴船のもみじ灯篭なるイベント用の列車がやってくる時間だったからです。1本見送ろうとも思いましたが、面倒だったのでそのまま乗ってしまいました。そういえば貴船は行ったことがないから行ってみてもいいな…とも思いましたが、やっぱり当初の目的を果たすことにしました。
目的とは、一乗寺中谷という和洋菓子のお店です。大人になってから初めて京都に来た時に、このお店の豆乳プリンを食べて衝撃を受け、それから毎回来るたびに訪れていたお気に入りのお店です。しかし前回は一乗寺に行かず豆乳プリンを食べそびれていたので、今回は外せないと思っておりました。

なのに…いつのまにか大人気店になっており、時刻は17時近いのにご覧の有様で、とてもゆっくりお茶できる雰囲気ではなくなってました。どうやら関西のテレビで紹介されまくりどころか、NHKでイノッチにまで紹介されたようです。お茶処にいる客が自分しかいなかったあの日はもう来ない…

店内にも待ち客がたくさんで、お茶はできそうになかったですが、ショーケースのケーキはたくさん並んでいたので、持ち帰ってホテルで食べることにしました。そしてプリンの他に気になっていた絹ごし緑茶てぃらみすを手に入れました。贈答用の木箱入りのやつがとってもかわいいのですが、お土産にするには期限がきびしそうだったので、一人用のカゴ入りを買いました。上には豆乳とフロマージュブランを使ったクリーム、中は抹茶のムースと緑茶シロップをしみ込ませたスポンジが段々になっております。とってもとっても期待していたのですが…ちょっと期待しすぎてしまったかもしれません。確かに口当たりはとてもなめらかで、口に入れるとすぅっと溶けてしまいます。とてもさっぱりあっさりです。甘さも優しい感じ。抹茶の香りはとてもよかったのですが、味ももうちょっと苦濃くて、こってり甘いクリームと組み合わされて甘苦な感じの方が好きだなーと思いましたです。上にのっかっている煮豆は丁寧に味付けしてあって、とても手が掛けられていることを感じられました。

そしてはずせない豆乳プリンです。今回は一保堂のほうじ茶シロップにしてみましたが、抹茶シロップもあり、鮮やかな緑色がきれいなのです。こちらも喉越しなめらかで、さっぱりしているのですが、さっぱりの中にとても深いコクがあって、絶妙な甘さなのです。これ以上ないくらい、なめらかな食感を生かす程よい甘さなのであります。お豆腐と甘味好きにはたまらんブツだと思います。このためにわざわざ一乗寺までくる価値はあるほどおすすめです。
やっぱりこの味…!と感激しながら完食して気付きましたが、いつもはお店で食べているので食べ終わったら返していたこの陶器、自分のものにできるのです。結構しっかりした陶器製のプチ湯のみだったので、今もちょこっとお茶を飲みたい時などに活用してます。シロップがお茶フレーバーなのは、この湯呑みからきているようですね。素敵。
京都に来てよかったー!を感じられるプリンを手に入れた後は、一乗寺に来たら同じく外せないあの本屋さんでステキ本を物色します。