Day4 その6 お手頃ビストロL'Ebauchoirで豪華なお肉ランチを食べる Paris2010


お昼はそろそろビストロとかで、それなりに豪華に食べたいなあと考えていましたが、中心部ではビストロのランチでさえ20ユーロとか30ユーロするので*1、少し離れた場所にあっても良いので、お手頃でおいしいお店を!と頑張って探してみました。
頑張ったところ、4区のバスティーユの先にあるFaidherbe Chalignyというメトロの駅が最寄りのL'Ebauchoir(レボショワール)という評判の良いビストロを発見しました。メトロを乗り継ぎ行ってみると、Faidherbe Chalignyの駅前は中心部の華やかな街並みと違い、下町ムード満点でした。東京で言うと門前仲町辺りの地下鉄の階段を上がった時の風景と似たようなものを感じたのであります。駅を出て少し歩き、次の通りくらいで曲がると、もうレボショワールの黄色いファサードが目に入りました。

人気店だけあって外の席は満席、中も人でいっぱいでしたが、思ったよりも奥行きが広く、空いた席があったのですぐに案内してもらえました。店員さんはみんな忙しそうに歩きまわっているので、メニューがなかなかもらえなかったのですが、入り口担当風だった坊主(おされ)でヒゲというワイルドな見た目のお兄さんが気付いてくれました。
いや気付いてくれたのは良いんですが、「あれ、マドモアゼル、メニューもらってない?」とこの旅初のマドモアゼル扱いをしてきました。この話をすると、みんな「若く見られてよかったね!!」と言うのですが、フランスでは、明らかに小さい子でない限り、女性のお客様は「マダム」と呼んでくるのがふつうで、「マドモアゼル」と言ってくるのは完全になめられている証拠なのであります。詳しくはこの発言小町でも見てほしい。
でも、その失礼なお兄さんがメニューを取りに行っている間、別のお姉さんがちゃんとメニューを持ってきてくれました。その後お兄さんもメニューを持ってきてくれましたが、すでにメニューが来ているのを見て「あ、もらった?ワインメニューは見る?」と言ってきました。「のーさんくす」と答えると、「だよねー(お嬢ちゃんは飲めないよねー)じゃあ水持ってくるね」みたいなバカにした感じで去って行きました…。フランス人め…!
確かにお店の中は男性のお客さんが7割で、ワイン飲みまくって楽しそうに談笑していたので、ワインも飲めないアジアの女子一人でひっそりお昼食べにくるにはふさわしくないお店だったかもしれません。しかし仕事どうするんじゃいと突っ込みたくなるくらいみんなワイン飲んで酔っ払ってました。

menuはメニューじゃなくてむにゅと読み、「定食」という意味らしいです。前菜+メインかメイン+デザートで12ユーロと書いてあります。前菜+メイン+デザートにしても13.5ユーロです。安い!一番下のデザートは即何かわかったのですが、前菜とメインは相変わらずさっぱりわかりません。とりあえず食材の名前程度は読めたのですが、それがどう調理されているのか判断つかずなのです。地球の歩き方の食べ物フランス語ページを見ながらうんうん悩んでいたら、隣の席で酔っ払いすぎて一人取り残されていた40代前半くらいのおじさん*2が、とろんとした目で「この店ではぶっふぶるぎによんを食べるべきだよ」「絶品だよ。」と言ってきました。
Boeuf bourguignonとは牛肉の赤ワイン煮込みのことです。肉か…と悩みながらも、そこまでおすすめされるなら、と赤ワイン煮込みを選択することにしました。一応「アドバイスありがとう」とお礼は言ってみましたが、酔っ払っていてこわかったのであまり関わらないようにしよう…と思いました。

フランボラーズソースのチーズケーキとかプルーンのタルトなどと名前が並ぶデザートに、とてもとても心ひかれましたが、パティスリーのケーキを食べたかったので、ここは我慢しようと前菜+メインのコースを選びました。最初にバケットがかごに入れられてどーんと置かれていきました。たぶん有名なお店のとかではないのであろうと思いますが、ふつうにおいしかったです。

前菜はにんじんサラダにもひかれましたが、サーモンが解読できたflan de saumonを選んでみたら、こんな素敵な見た目のものがやってきました。緑のふわふわの優しい味のムースの中に、塩気のきいたサーモンがつまっています。トマトの酸味のきいたソースとからめて食べると激的にウマい!のです。この値段でこのクォリティの前菜が頂けるなんて、こんな場所までマドモワゼル扱いされながらも食べにきた甲斐があった!と感激しました。

そして程なくしてやってきたメインの赤ワイン煮込みです。あつあつのお皿にのっていたので、持ってきたお兄さんが「熱いから気を付けてね!」とにっこりしながら言ってくれました。お肉はとろとろに煮込まれていて、ナイフを入れると簡単にほぐれて柔らかいです。でも「The 肉」という感じで…肉の肉々しさが残りすぎていて、食べられなくないけれど自分はあまり好きじゃないな〜と思ってしまいました。でも少しだけ酸味のある赤ワインのソースは絶品です!バゲットにつけて食べるとしあわせになれました。つけ合わせのマッシュポテトもとてもクリーミーです。

マッシュポテトをお腹いっぱい食べて満足していたら、お姉さんが「デザートは?」と聞いてくれました。「のん、めるしー」と答えると「カフェはいる?」と聞いてくれたので、「うぃ!」と即答しました。メニューにはなかったけど、エスプレッソを追加で注文できるようです。ちなみにお値段は1.8ユーロとこれまたお得です。それなのに、小さなフィナンシェがついてきてうれしかったです。口に入れた瞬間は少し固くて「アレ?角砂糖と見間違えた?」と思うくらいでしたが、カリっとした食感のあと、もっちりがやってきてしっとり甘いフィナンシェを味わえました。やっぱりフランス人はかりかりもっちりの食感が大好きなんだ!と実感した瞬間であります。
お店は忙しすぎるせいかテーブル会計ではなく、自分でレジまで行ってお会計という日本方式でした。レジにはマドモワゼル扱いしてくるお兄さんがいましたが、「おいしかった?」とか話かけてくれました。最後まで「よかったら、また食べに来て!マドモアゼル!!」とブレずにマドモアゼル扱いしてはきましたが、お店の人もみんな優しかったし、見下されている風でしたが、サービスに他のお客さんと扱いに差をつけられるということもなかったのでとても満足です。いつかまたパリに来ることがあれば、ぜひまた訪れたいと思いました。次はマダム扱いしてもらるように、服装をメイクをもうちょっと何とかしないとですが。
満腹になって満足した後は、4区まで来たので、話題のおされショップなどを訪ねます。

*1:数少ないお手頃なお店だと行列するしかなさそうだった…

*2:昔は色男だった風